梨状筋症候群でお尻や足が痛む方に知って欲しいQ&A②

Q&A 梨状筋症候群

梨状筋症候群でお尻や足が痛む。

梨状筋症候群とは、お尻にある梨状筋という筋肉によって坐骨神経が圧迫されることで痛みが出る状態とされています。

この梨状筋症候群になった時、当然ですが誰しも早く良くなりたいって思いますよね。そしてそのためにいわゆるセルフケアに取り組む方は多いと思います。

ただ、セルフケアについては、やろうと思うけど何をすればいいか分からないし間違えてひどくなったらどうしようという心配もある。こういう方は多いのではありませんか?

せっかくセルフケアに取り組むのですから、ひどくなってしまうようなことは絶対に避けたいですよね。そのためには何が必要か?というと、あらかじめやってはいけないことや悪化の要因などを知っておけば良いということになります。

じゃあそれはどういうものか?気になりますよね。

そこで今回は、梨状筋症候群になってしまった方で、実際に当院にご来院された方からいただいたことがあるご質問に対してQ&A方式で解説をしていきたいと思います。

比較的よくいただくご質問にについて解説をしています。つまり、多くの方に該当するようなご質問だと思ってください。なのでこういったことを事前に知っておけば、やってはいけないことをやらずにすみますし、悪化の要因になるようなことを避けることができると思います。

それでは具体的に解説を始めますね。

薬を飲んでも痛む時は飲まなくてもいい?

薬

梨状筋症候群でお尻や足に痛みがある時、病院を受診してそこの先生から痛み止めの薬を処方してもらった方は多いと思います。

ただ、毎日ちゃんと続けて飲んではいるんだけどお尻と足の痛みは変わらないという方も同じく多いのではないでしょうか。

こうなると、薬って飲まなくてもいいのかな?ってなるかもしれません。

実際に薬を続けるかどうかは担当の先生に相談してもらうしかないのすが、そのことよりもなぜ毎日ちゃんと飲んでいるのに痛みが変わらないのか?ということは気になりませんか?せっかくちゃんと飲んでいるんだから楽になりたいですよね。それなのに変わらない。

こういう場合、実はちゃんと理由があるんです。その理由を解説しますね。

梨状筋症候群になった場合に処方される痛み止めの薬は、個人差はありますが基本的には神経障害性疼痛という痛みに対して作用がある薬と思ってください。神経障害性疼痛とは何かと言うと、簡単に言えば神経に作用がある痛み止めの薬です。

梨状筋症候群は梨状筋によって坐骨神経が圧迫された結果痛みが出るとされています。つまり、痛みの原因が神経にあると考えられているわけですね。そのため、神経に対して作用がある痛み止めの薬が処方されるということですね。これは理にかなってます。

ではなぜ飲み続けても痛みが変わらないのか?

理由はとてもシンプルで、そもそも痛みの原因が神経ではなく筋肉にあるからです。神経が原因なら神経に対して作用がある薬が良いのは分かりますよね。しかし、筋肉に原因がある時に神経に作用がある薬を飲み続けてもこれは痛みが変わらなくて当然。

分かりやすく言うと、お腹が痛い時に目薬をさしているようなものです。これでは当然腹痛は治まりませんよね。

そう言われれば分かるけど、梨状筋症候群の原因が神経じゃなく筋肉ってどういうこと?って思ったかもしれませんね。詳しく解説します。

梨状筋症候群によるお尻や足の痛みは、神経が圧迫されることではなく梨状筋を含め複数の筋肉が固まって締まった結果の痛みだと思ってください。梨状筋やその他お尻の筋肉、腰、股関節周り、足などの筋肉が痛みの原因になりやすいです。

筋肉は固まってしまうと、筋肉そのものがかなり強い痛みの原因になってしまいます。筋肉に原因があって痛みが出ている状態のことを専門用語で筋膜性疼痛症候群と言います。簡単に言うと、筋肉がケガをしている状態と思ってください。

こういう状態の時に必要なことは何かと言うと、固まった結果痛みが出ているわけですからその固まった状態がゆるんでもとの正常な状態に戻ることが必要なのです。

つまり、筋肉がゆるむことが必要な状態の時に、神経に対して作用がある痛み止めの薬を飲み続けてもこれでは残念ながら痛みが変わらないということになります。こう考えるとなぜ毎日ちゃんと痛み止めの薬を飲み続けてもお尻や足の痛みが変わらないのかという理由がご理解いただけたと思います。

ちょっと違う視点で言うと、痛み止めの薬を飲み続けても痛みが変わらないなら梨状筋症候群と言っても原因は神経ではなく筋肉にあるので神経ではなく筋肉への対策が必要ということになります。

そう言われても何をすればいいのか分らない。そんな方も多いでしょう。まずはストレッチが良いですね。簡単に取り組めますから筋肉が原因かなと思ったら始めてみてください。ただし、無理のない範囲でやり過ぎないように注意してくださいね。

具体的な方法についてはこちらの動画でいろいろなやり方等を紹介していますのでご参考くださいね。

梨状筋症候群で痛む時の楽な寝方は?

梨状筋症候群でお尻や足が痛む時に、楽な寝方はどんな寝方かなと思ったことはないですか?特による寝付くまでが痛むような場合ならなおさらかと。

楽な寝方についてはもちろん個人差はありますが、理屈としてはこういう寝方をすると楽に感じる方は多いですよという寝方はあります。

じゃあそれはどんな寝方か?気になるかと思いますので解説をしますね。

結論を先にお伝えすると、痛む側のお尻が上になるように横向きで寝るのが良いです。具体的には下記の写真をご覧ください。

楽な寝方

写真では右側が上になるようにして横になっていますね。

もし右のお尻や足が痛む場合なら、この写真のように右側が上になるようにして横向きで寝ると比較的楽に感じる方は多いです。

ではなぜ痛む側を上にすると多少とは言え楽になるのか?これは梨状筋症候群の痛みの原因と関係があります。先ほども触れましたが、梨状筋症候群による痛みの原因は複数の筋肉が固まってしまったことにあります。そして特にお尻の筋肉全体が固まっていることが多いと思ってください。

そんな場合、痛む側のお尻の筋肉を上にして横になって寝るとお尻の筋肉がやや伸ばされた状態になります。つまり、痛みの原因になっている固まった筋肉が少し伸ばされた状態になるということ。そのため、少しかもしれませんが痛みが楽に感じる方が多いわけですね。

なのでまずは痛い側を上にして寝てみるのが良いですよということになります。

ただここまで言っておきながら申し訳ないのですが、これはあくまでも理屈の話であってすべての方に当てはまるわけではありません。痛い側を上にしても変わらないという方もいます。さらに、痛い側を先ほどとは逆の下にして寝るほうが楽という方もいます。さらにさらに、仰向け、うつ伏せが楽という方も。

じゃあ結局何でもいいんじゃないかと思うかもしれません。確かにそうなのですが、大事なことは何かと言うと、どちらを上にしてどちらを下にすれば良いのか?という基準ではなく、どういう姿勢なら楽なのか?という基準で判断すれば良いですよということ。

ただ基本的には痛い側を上にして横向きになって寝ると楽な方が多いですよということなのです。

ちなみに補足としてお伝えしておきたいことがあります。

痛い側を上にして横向きになると確かに楽だ。でもちょっとまだ気になるという方もいると思います。そんな時は、膝と膝の間にクッション、抱き枕、折りたたんだバスタオルのようなものを挟むとさらに楽に感じるという方もいます。

この辺りは個人差なのでいろいろと工夫をしてもらえればと思います。

最後に

梨状筋症候群で痛む時によくあるご質問に答える形で解説をしてきました。

ちょっとしたことかもしれませんが覚えておいてもらえればと思います。そして、今回も触れましたが、梨状筋症候群は筋肉が固まった結果痛みが出ている方がほとんど。そんな場合は紹介した動画のストレッチをまず試してみてくださいね。

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