頚椎症の症状とは?よく見られる症状や対策など9ポイント

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頚椎症性神経根症という病名があります。

聞き慣れない病名かもしれませんが、頚椎症と言えば知っている方もいらっしゃるかもしれませんね。そんな頚椎症性神経根症ですが、原因は何でどういう症状が出るのでしょうか?

また、実際になってしまった場合にはどういう治療方法や対策が良いのでしょうか?

薬を飲んだり牽引などのリハビリを受けているけれども症状が変わらないという方は、そもそも頚椎症性神経根症の原因が違う可能性が高いです。

今回は頚椎症性神経根症の原因やよくある症状、そして具体的な治療方法や対策などについてお伝えします。

1 頚椎症性神経根症とは?

最初に頚椎症性神経根症とはどういう症状のことを言うのかについて分かりやすく説明します。

1-1 頚椎と神経根

頚椎と神経根

頚椎というのは首の骨のことで人間の体には7つあります。

この頚椎から手や足などに枝分かれするように神経が出ています。そして頚椎から神経が出ている根っこの部分のことを神経根(しんけいこん)と言います。

1-2 頚椎の神経根で起こる症状のこと

頚椎と神経根については先ほど説明しました。

この頚椎という7つある首の骨の間から出ている神経根のどこかがで障害が起き、その結果として肩や腕などにさまざまな症状が出るようになります。

このことから、頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)という病名がつけられています。

2 頚椎症性神経根症の原因は何?

頚椎症性神経根症の原因は?

頚椎症性神経根症になると肩や腕に症状が出るようになります。ではその原因は何かということについて解説していきます。

2-1 加齢による頚椎の変形(骨棘形成)

人間が年を重ねると骨の変形が見られるようになります。そして変形が起こると骨棘(こつきょく)と言って、棘が突出した状態のように変形します。

頚椎にもこういった変形が起こります。そして、この変形が神経が出ている神経根の近くで起きると椎間孔という神経の通り道を狭くしてしまい神経を圧迫するため症状が出るようになります。

2-2 椎間板の膨隆

頚椎の間には椎間板といってクッションの役割を果たしている組織があります。

そしてこの椎間板が加齢に伴い水分を失い、結果として弾力性がなくなってしまいます。弾力性がなくなった椎間板は変形して膨らんでいき後方へ突出してしまいます。

その結果神経を圧迫するため頚椎症性神経根症の症状が出るようになります。

3 頚椎症性神経根症で見られる症状

頚椎症性神経根症の症状

頚椎症性神経根症になるとどういった症状が見られるのかを解説していきます。

3-1 首や肩、背中や腕の痛み

頚椎症性神経根症の主な症状には痛みがあります。

痛みは神経痛のような痛みで、首や肩、背中(肩甲骨周り)、腕(上腕部)などに出ることが多いです。

上を向く時に痛みが出たり、座っている時に腕が締め付けられるように痛むことがあります。

3-2 背中や腕、手先のしびれ

痛みと同じく多く見られる症状がしびれです。

ビリビリと電気が流れるようなしびれで、肩甲骨の内側や腕、手のひらや手の甲、指先などがしびれることが多いです。

3-3 腕の重だるさや筋力低下

痛みやしびれ以外の症状としては重だるさや筋力低下があります。

腕全体が重だるく感じることが多くなったり、握力が落ちることもあります。そのため、軽い荷物を持とうとした時に落としそうになったり、普段よりも重く感じるようになることもあります。

3-4 感覚異常

感覚異常というのは頚椎症性神経根症の症状が出ている腕や手に起こる症状です。

自分で腕や手を触ったときに鈍く感じたり、何もしていないのにピリピリとした痛みを指先に感じるなどの状態を言います。

4 頚椎症性神経根症の症状には特徴がある

頚椎症性神経根症の症状の特徴

頚椎症性神経根症のさまざまな症状には特徴があります。

4-1 左右のどちらか一方に症状が出る

頚椎症性神経根症の痛みやしびれなどの症状は通常左右どちらか一方に出ます。

これは、骨棘形成が左右どちらか一方にのみ起こるためと考えられます。

4-2 中高年に多い

頚椎症性神経根症の症状が出やすいのは主に40代~50代、またはそれ以降の世代に多いです。

これは、頚椎の変性が加齢に伴うという点から考えると、若年層には変形がみられることは事故や外傷を除いてはないためと考えられます。

5 頚椎症性神経根症と似た症状が見られる病気

頚椎症性神経根症と似た症状の病気

頚椎症性神経根症で見られる症状をいくつか挙げましたが、同じような症状が見られる病気がありますのでその違いや見分け方について解説します。

5-1 胸郭出口症候群

頚椎症性神経根症の症状には手のしびれがありますが、胸郭出口症候群という症状でも手のしびれが頻繁に出るようになります。

頚椎症性神経根症とどこが違うのかというと、例えば頚椎の変形する部分が異なっていたり、胸郭出口症候群では血管が圧迫されることでしびれが出るという点です。

病院ではレントゲンの検査で頚椎のどこに変形が起きているかを判断します。

5-2 頚椎椎間板ヘルニア

頚椎症性神経根症と頚椎椎間板ヘルニアの症状は非常によく似ています。ですが、病院でMRIの検査をすればどちらかということがはっきり分かります。

頚椎症性神経根症は頚椎の骨棘形成の結果神経が圧迫されています。一方、頚椎椎間板ヘルニアは頚椎の椎間板の中にある随核という部分が飛び出した結果として神経を圧迫している状態です。

この違いはMRIの検査で明確に判断出来ます。

5-3 内臓の疾患

頚椎症性神経根症になると肩甲骨の内側に痛みが出ることがあります。

こういった肩甲骨周りの痛みは内臓の疾患でも起こります。例えば胃潰瘍になっている場合でも見られる症状です。単純にどこが痛いかという場所で判断するのではなく、体全体の症状で判断することが必要になります。

6 実はもう1つある頚椎症性神経根症の原因

頚椎症性神経根症の原因

頚椎や椎間板の変性により神経根の部分で神経が圧迫されるため症状が出るとされることが多い頚椎症性神経根症です。

ですが、実は神経圧迫以外にもう1つ原因があります。それは何かというと筋肉です。

筋肉は固まってしまうと痛みやしびれといった症状の原因になります。そして、頚椎症性神経根症の状態になっている場合でも実は筋肉が原因の場合は多々あります。

筋肉が固まってしまうと痛みやしびれなどの症状の元となるトリガーポイントと呼ばれる部分が筋肉に出来ます。

そしてこういったトリガーポイントが原因の痛みやしびれを筋膜性疼痛症候群と言います。

7 神経圧迫が原因か筋肉が原因か?

頚椎症性神経根症の原因は神経圧迫の場合と、筋肉が原因で筋膜性疼痛症候群になっている場合の2つがあります。

では、この2つの原因の違いはどこにあるのかについて解説していきます。

7-1 動作に伴い痛みやしびれが出るなら筋肉が原因

レントゲンやMRIで頚椎の変形や椎間板の膨隆が見られ、その結果頚椎症性神経根症と診断された場合でも次のような状態なら原因は神経圧迫ではなく筋肉にあります。

  • 上を向くと首や肩、背中や腕に痛み、しびれが出る
  • 首を症状の出ている側に大きく回すと症状が増す
  • 首を症状が出ている側の真横に倒すと症状が強くなる
  • 電車のつり革を持ったり、車や自転車のハンドルを握った状態になると手がしびれる
  • 仰向けの姿勢で寝ると首や肩が痛くなる

他にも考えられますが、こういった動作や特定の姿勢にともなって痛みやしびれが出るのなら筋肉が原因と考えられます。

7-2 お風呂上がりは症状が軽くなるなら筋肉が原因

頚椎症性神経根症の症状がお風呂上がりは軽くなるという場合も筋肉が原因と考えられます。

これは、固まった筋肉が体が温まることで少し緩んだためそれに伴い症状も軽くなったと考えられます。

神経圧迫の状態はお風呂に入ったからと言って変わるわけではありません。それにもかかわらず症状が軽くなるというのは神経圧迫以外が原因と言える証拠です。

7-3 症状を感じない時が少しでもあるなら筋肉が原因

頚椎症性神経根症の方で、症状をほとんど感じない日や時間があるという方は多いのではないでしょうか。

ほんの短い時間でも症状を感じないことがあるのなら筋肉が原因と考えられます。

なぜなら、症状を感じなかった時だけ神経圧迫の状態がなくなったか?というとそんなことはあり得ないからです。

7-4 こんな場合は神経圧迫が原因

頚椎症性神経根症はほとんどの場合が筋肉に原因があることが多いです。

ですが、何らかの治療や施術等を受けても全く症状が変わらないとか、麻痺や片方の腕の筋肉が明らかに落ちてやせ細ってしまったような場合は神経圧迫が原因と考えられます。

8 頚椎症性神経根症の治療方法や対策

頚椎症性神経根症にはどういった治療法や対策があるのかについて解説します。

8-1 病院での治療法

病院(整形外科)ではどういった治療法が行われることが多いのかを紹介します。

装具

首のカラーをすることで頚椎の安定や安静を図ります。

牽引

頚椎の牽引です。ただし、軽い重量で牽引しても痛みが出ることがありますのでその際は担当の先生に相談して下さい。

温熱療法

首や肩周りをホットパックや赤外線などで温める方法です。

電気治療

首や肩周りに低周波などを当てる電気治療の方法です。

薬物療法

主に消炎鎮痛剤(NSAIDs)やビタミン剤が処方されることが多いです。その他神経障害性疼痛に対しての薬や筋肉の緊張緩和を目的とした筋弛緩剤が処方されることもあります。

神経ブロック注射

装具や理学療法、投薬でも効果がない場合に行われることが多いのが神経ブロック注射です。ペインクリニックで行われることが多いです。

手術

さまざまな治療方法を試しても効果がなく、さらに筋力低下が著しくなったり日常生活への影響が多大な場合は手術を検討されることもあります。

ただし、手術になるまでに上記の保存療法が行われることがほとんどで、いきなり手術ということはありません。

8-2 筋肉が原因の頚椎症性神経根症への対策

トリガーポイント鍼療法

頚椎症性神経根症の原因が神経圧迫ではなく筋肉にある場合には、筋肉に鍼をするトリガーポイント鍼療法という施術があります。

筋肉が固まってしまったことで痛みやしびれが出ることを筋膜性疼痛症候群と言います。そしてこういった筋肉が固まった場合には筋肉を緩める必要があります。

そのためには、神経に対しての治療方法ではなく筋肉に対しての治療や施術が必要なのです。

トリガーポイント鍼療法は、こういった痛みやしびれの元になっている筋肉や筋膜に出来たトリガーポイントと呼ばれる部分を刺激することが出来る方法です。

レントゲンやMRIで骨の変性が見られ頚椎症性神経根症と診断された場合でも、実は骨や神経は全く関係なく筋肉が原因ということは多々あります。

頚椎症性神経根症の対策にはこういった方法もあるということを知ってもらえればと思います。

9 頚椎症性神経根症になったら気をつけて欲しいこと

目薬を差す

頚椎症性神経根症の症状が出ている場合に気をつけて欲しいことがありますので挙げておきます。

9-1 上を向く動作に気をつける

頚椎症性神経根症になると、上を向くという動作をする時に痛みやしびれが肩や腕に出ることが多くなると思います。

ですから、例えば次のような場合に気をつけて下さい。

  • 目薬をさす
  • うがいをする
  • 美容室で髪を洗ってもらう

こういった上を向くとか仰向けの姿勢になる時に強く痛みが出たり、最初は良くてもだんだん痛みやしびれが出てくることがありますから出来るだけこういった動作や姿勢は控えて下さい。

9-2 首や肩周りの体操

痛みやしびれなどの症状がつらいと、早く良くなりたいという気持ちから首や肩周りの体操でもすれば良いのではと考える方は多いです。

首や肩周りの体操自体が悪いわけではありません。ですが、筋肉が固まってしまった結果痛みやしびれが出ていることが多いのが頚椎症性神経根症です。

ですから、固まった筋肉を過剰に動かしすぎると後から症状が増すことがありますので無理に行ったり長時間行ったりしないよう気をつけて下さい。

9-3 無理な姿勢を続けない

長時間パソコンやスマートフォンを見続けるとか、重い荷物を持ち続ける、長時間車を運転するなどは首に負担のかかる姿勢をとり続けることになります。

そういった状態が続くと、首や肩周りの筋肉が疲労しますからそれに伴い痛みやしびれも増したりいつまでも続いたりということになってしまいます。

仕事や必要に迫られている場合は仕方がありませんが、時々休憩を挟んでリラックスすることも心がけてみて下さいね。

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まとめ

  • 頚椎症性神経根症とは頚椎から出ている神経の根元の部分で神経が骨棘や椎間板の膨隆により圧迫される結果痛みやしびれが出る症状のことを言う
  • 頚椎症性神経根症の症状には痛みやしびれ以外にも筋力(握力)低下や感覚異常などもある
  • 頚椎症性神経根症の原因は神経圧迫だけではなく筋肉の場合もあり、実は筋肉が固まったことでトリガーポイントと呼ばれる痛みやしびれの元が形成された筋膜性疼痛症候群になっていることが多い

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