よく分かる!胸郭出口症候群の原因とよくある症状や対策まとめ

よく分かる!胸郭出口症候群の原因とよくある症状や対策まとめ
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胸郭出口症候群になりいろいろな治療を受けているけれど症状が変わらない。

こんな時は、胸郭出口症候群の原因を間違えているのかもしれません。胸郭出口症候群の原因は神経だけではないからです。

ですから、胸郭出口症候群の原因を見極め必要な対策をすることが大事ですよね。

そこで今回は、胸郭出口症候群で考えられる原因やよくある症状そして対策などについてまとめました。

1 胸郭出口症候群とは?

胸郭出口症候群とは?

胸郭出口症候群(TOS:Thoracic Outlet Syndrome)とはどういう病気か?ということから解説していきます。

1-1 胸郭出口症候群とはこういう病気のことを言います

胸郭出口症候群とは、鎖骨の周囲で腕神経叢(わんしんけいそう)と呼ばれる神経の束になった部分が、血管や筋肉などに圧迫されることで腕や手先に痛み・しびれなどが出る病気のことを言います。

1-2 胸郭出口とはここのことをいいます

胸郭出口症候群の胸郭出口とは、上の写真出いうと鎖骨の上で少しくぼんだ部分がありますね。

ここを胸郭出口といいます。そして、先ほどお伝えしたようにここで神経や血管が圧迫されることが原因で起こることから胸郭出口症候群という名前が付いています。

2 胸郭出口症候群の原因は?

胸郭出口症候群の原因について詳しく解説していきます。

胸郭出口症候群は、先ほども少し触れましたが鎖骨の周囲で腕神経叢や鎖骨下動脈・鎖骨下静脈が圧迫されることで腕や指先にさまざまな症状が出ます。

胸郭出口症候群にはどこが原因かによってさらに細かく分類することが出来るのですが、それらを総称して胸郭出口症候群と呼ばれています。

分類について解説を続けます。

2-1 斜角筋症候群

斜角筋症候群

前斜角筋と中斜角筋

首の前に斜角筋という細い筋肉があり、さらに前斜角筋と中斜角筋というように2つ筋肉があります(上の写真参照)。

この筋肉の間を神経や血管が通っているのですが、この前斜角筋と中斜角筋が原因で症状が出ている場合は斜角筋症候群と呼ばれます。

2-2 肋鎖症候群(ろくさしょうこうぐん)

先ほどの斜角筋症候群は首の前にある斜角筋によって腕神経叢や動脈・静脈などの血管が圧迫されることが原因でした。

こちらの肋鎖症候群は、第1肋骨と鎖骨によって腕神経叢や動脈・静脈などの血管が圧迫されることで症状が出るためこう呼ばれています。

2-3 小胸筋症候群(過外転症候群)

小胸筋

小胸筋

続いて小胸筋症候群(過外転症候群)についてです。

大胸筋という筋肉の名前を聞いたことがある方は多いと思います。その大胸筋の下に小胸筋という筋肉があります(上の写真参照)。

この小胸筋によって腕神経叢や動脈・静脈が圧迫されることで症状が出る場合を小胸筋症候群と言います。

小胸筋症候群には別の呼び方もあり、それが過外転症候群です。外転というのは手を真横に挙げる動作のことを言います。

そして、その外転をを大きく行う動作、つまり手を真横に挙げていき耳に付くくらいまで挙げた時に症状が出る場合を過外転症候群といいます。

どちらも小胸筋が主な原因のためこのような呼ばれ方をしています。

2-4 胸郭出口症候群とはこれらの総称

斜角筋症候群、肋鎖症候群、小胸筋症候群(過外転症候群)と、それぞれ原因が異なることはおわかりいただけたでしょうか?

そして、これら3つの総称を胸郭出口症候群と言います。

3 胸郭出口症候群になりやすいのはどんな人?

胸郭出口症候群になりやすいの人の特徴を挙げてみます。

  1. 女性
  2. 20代
  3. なで肩

胸郭出口症候群になりやすいのは若くてなで肩の女性に多いということになりますが、必ず下荘というわけではありません。

比較的多いというだけで男性にももちろん見られます。

ただ、男性の場合は重い物を持つことなどの力仕事が多い方や、格闘技の選手などに多いとされています。

また、年齢としては20代が多いですが、それ以上の年齢の方にも見られます。

4 胸郭出口症候群の主な症状

胸郭出口症候群の症状

胸郭出口症候群になると主にどのような症状が見られるのかを紹介していきます。

4-1 しびれ

胸郭出口症候群になると腕や手、指先にしびれが出ることが多くあります。

このしびれですが、例えば電車でつり革を持つとか、洗濯物を高い位置に干すといった腕を挙げる動作に伴ってしびれが出てくることが多いです。

しびれがある腕と反対側の斜め後ろに首を倒すことでしびれが増す場合もあります。また、車や自転車のハンドルを握る状態でもしびれるという方もいます。

4-2 痛み

痛みも胸郭出口症候群ではよく見られる症状です。

痛みとしてはどちらかというと刺すような痛みで疼く痛みとは少し異なることが多い傾向にあります。

4-3 熱感・冷感

腕が熱い感じがするとか、逆に冷たい感じがするという症状も比較的よく見られます。

熱さは灼熱感のように熱く感じることもありますし、また冷たさはスーッと冷たい感覚が腕を通るように感じることもあります。

4-4 筋力低下

胸郭出口症候群になると筋力低下も見られます。その結果、握力が半分程度やさらにはもっと下がってしまうこともあります。

4-5 運動障害

運動障害が起こると、手先を使った細かい作業がしづらくなります。

お箸で小さなものを掴むとか、ボタンを留めるといった作業が通常より困難になります。

4-6 筋萎縮

胸郭出口初稿群で筋力低下や運動障害が見られ、さらに症状が進むと筋萎縮が起こることもあります。

筋萎縮が起きると手の骨と骨の間の筋肉が萎縮し、その結果手の甲側だと骨と骨の間がくぼんでしまいます。

また、手のひら側だと手のひらの筋肉(主に小指側)が痩せ落ちてしまいます。

4-7 チアノーゼ

チアノーゼというのは、血管が圧迫された結果血行が悪くなるので腕が白っぽく変色したり、場合によっては紫がかったような色になることです。

5 胸郭出口症候群かなと思ったら何科を受診すればいい?

病院

先ほど挙げたような胸郭出口症候群の症状がある場合、病院は何科を受診すれば良いのかな?と迷うところかと思います。

胸郭出口症候群の症状が感じられて、もしかしたら自分の症状はそうかな?と思ったら整形外科を受診して下さい。

近隣の整形外科で構いません。そこで必要な検査等を受け担当の医師の指示に従いましょう。

6 胸郭出口症候群の検査

胸郭出口症候群が疑われる場合、どのような検査方法があるのかを紹介します。

6-1 レントゲン(X線)

レントゲンで胸郭出口症候群の検査をする場合は、頚肋(けいろく)が出来ていないかを見ます。

頚肋というのは、ものすごく簡単に言うと肋骨が一本多い状態と思ってください。

通常肋骨は、胸椎といって胸の部分にある背骨から出ています。ですが、頚肋は頚椎といって首の骨から出ています。

正確には首の骨にある横突起という突起が発達した部分が頚肋です。そしてこの頚肋があるために腕神経叢や動脈・静脈を圧迫することがあります。

そのため、レントゲンではこの頚肋の有無をチェックすることになります。

6-2 誘発テスト

胸郭出口症候群になっているかどうかを確かめるために、症状を誘発するやり方のテスト方法があります。

6-2-1 アドソンテスト

アドソンテスト

アドソンテスト

患者さんに胸郭出口症候群の症状が出ている方を見ながら首を反らしてもらいます。

そしてその状態で検査をする人が患者さんの手首の動脈をチェックします。

手首で動脈の拍動が弱くなるとかなくなるようなら鎖骨の下にある鎖骨下動脈が圧迫されていると判断出来ます。

6-2-2 モーレイテスト

モーレイテスト

モーレイテスト

鎖骨の上にあるくぼみの部分、つまり胸郭出口の部分を指で押さえます。

押さえることで腕に痛みやしびれが出るようなら斜角筋によって腕神経叢や動脈・静脈といった血管が圧迫されていると判断出来ます。

6-2-3 ライトテスト

ライトテスト

ライトテスト

座った状態で腕を90度真横に挙げます。その状態で肘を曲げさらに手のひらが正面を向くようにします。

この状態で手首の動脈の拍動が弱くなったりなくなってくるようなら小胸筋によって腕神経叢や動脈・静脈といった血管が圧迫されていると判断出来ます。

6-2-4 エデンテスト

エデンテスト

エデンテスト

患者さんに座った状態で腕を真後ろに上げるようにしてもらいます。そして検査する人が患者さんの手首の拍動をチェックします。

この状態で手首の動脈の拍動が弱くなったりなくなってくるようなら肋鎖症候群になっている可能性があると判断出来ます。

6-2-5 ルーステスト(3分間挙上負荷テスト)

ルーステスト(3分間拳上負荷テスト)

ルーステスト(3分間拳上負荷テスト)

ライトテストと同じように、腕を90度真横に挙げさらに肘を90度曲げます。

この状態で指の屈伸つまり閉じたり開いたり(グーパー)を繰り返します。

3分間続けることが出来ず、しびれが出てきたり腕がだるくなってしまうという場合は肋鎖症候群になっている可能性があると判断出来ます。

7 胸郭出口症候群の治療方法

薬

胸郭出口症候群に対して主に病院で行われる治療方法を紹介します。

7-1 投薬

症状が比較的軽い場合は投薬が多いようです。消炎鎮痛剤やビタミンB1などが処方されます。

7-2 ブロック注射

痛みなどが強い場合はブロック注射が行われることもあります。

7-3 理学療法・運動療法

温熱療法や首の牽引、または首や肩周りの筋肉を柔軟にするための体操を行います。

7-4 手術

胸郭出口症候群の重症例では手術が必要な場合もあります。手術が必要な場合の例を挙げます。

  • 頚肋切除
  • 第1肋骨切除
  • 前斜角筋切除

腕神経叢や動脈・静脈といった血管を圧迫している骨や筋肉を切除して症状の改善を図る手術です。

8 胸郭出口症候群にはこんな原因もある

胸郭出口症候群の原因は、斜角筋や頚肋、小胸筋などにより腕神経叢や動脈・静脈といった血管が圧迫されることだとお伝えしました。

ですが、実は胸郭出口症候群にはもう1つ原因があるのです。

それは何かというと筋肉です。

首や肩周り、背中、鎖骨の下や胸の筋肉などが酷い肩こりのように固まってしまうと胸郭出口症候群の症状が出ることがあるのです。

8-1 筋肉が原因とはどういうことか?

筋肉が原因と言われても、ちょっと分かりづらいと思いますのでもう少し詳しく解説します。

古くなった輪ゴムを思い出してみてください。

輪ゴムが劣化した状態だと柔軟性がなく伸ばそうとしてもプツンと切れてしまいますよね。

筋肉にもこれと似たところがあり、疲労がたまりどんどん固まってしまうと柔軟性を失います。

そしてその結果、切れたりはしませんがその代わりに痛みやしびれの原因にもなるのです。さらに言うと筋力低下や感覚異常といって皮膚感覚が鈍くなる症状の原因にもなるのです。

8-2 胸郭出口症候群の原因になりやすい筋肉

胸郭出口症候群の原因になりやすい筋肉はどの辺りにあるのかを写真を使って説明します。

写真をご覧下さい。

胸郭出口症候群の原因になりやすい筋肉

首や肩、肩甲骨周りの筋肉

胸郭出口症候群の原因になりやすい筋肉

首の前、鎖骨の下、腕の付け根の筋肉

2枚の写真にバツ印を複数付けています。

このバツ印の部分にある筋肉が固まってしまうと、腕に痛みやしびれ、さらには筋力低下や感覚異常の原因になることがあります。

9 筋肉が原因の胸郭出口症候群はどうすればいい?

トリガーポイント鍼療法

筋肉が固まってしまったことで胸郭出口症候群の症状が出ている場合はどうすれば良いのについて説明します。

9-1 筋肉が原因なら筋肉を施術することが大切

こういった筋肉が固まった症状に対しては筋肉に対しての対策が必要です。

例えば、当院で行っている筋肉に鍼をするトリガーポイント鍼療法という施術も対策の1つです。

ツボではなく筋肉を施術する方法なので、筋肉が固まった状態で症状が出ている場合には施術が可能です。

9-2 筋肉が原因の場合は薬や注射はどうなのか?

筋肉が酷い肩こりのように固まってしまった結果、胸郭出口症候群の症状が出ている場合薬はどうなのでしょうか?

これは、薬にもよりますが効果がある場合とない場合が考えられます。

例えば、筋肉を緩めることを目的としている薬ならよいかもしれませんが、単に消炎鎮痛剤であれば意味がありません。

また、ブロック注射も一時的に良いかもしれませんが、そもそもブロック注射は神経に対しての注射です。

ですから、筋肉を緩める効果は期待出来ません。

10 胸郭出口症候群の予防としてやって良いこと・やってはいけないこと

胸郭出口症候群になってしまった場合にやって良いこととやってはいけないことを紹介します。

10-1 胸郭出口症候群になった場合にやって良いこと

胸郭出口症候群になり腕に痛みやしびれなどの症状がある時にやって良いことの例を挙げます。

  • 首や肩周りの適度なマッサージ
  • 首や肩周りの筋肉を適度にストレッチして伸ばす
  • 温める

こういったことなら取り組んでも構いません。

ですが、決してやり過ぎないようにだけ気をつけて下さい。やり過ぎると後から症状が増すことが考えられます。

10-2 胸郭出口症候群になった場合にやってはいけないこと

肩をすくめる動作

肩をすくめる動作はマイナス

胸郭出口症候群になり腕に痛みやしびれなどの症状がある時にやってはいけないことの例を挙げます。

  • 筋トレ
  • 過度な体操
  • 強引なストレッチやマッサージ

こういったことをすると胸郭出口症候群の症状が増す可能性が高くなります。

筋トレ自体は悪いわけではありません。ですが、胸郭出口症候群は筋肉が原因の場合もありますので症状が出ている時に筋トレをしてさらに筋肉に負荷をかけるのは良くありません。

また、体操も悪くありませんがやり過ぎたり、肩をすくめるような動きの体操は避けて下さい。

肩をすくめる体操は、首の前にある斜角筋などを動かすことになりますので症状が強くなってしまうことが考えられるからです。

強引なストレッチやマッサージは先ほど述べたとおりです。

痛みやしびれがあるとついつい長時間揉みたくなったり力任せにグイグイと筋肉を伸ばしたくなるのは分かります。

ですが、筋肉に必要以上の負荷をかけると後からつらい思いをするのは自分自身なので気をつけて下さいね。

まとめ

  • 胸郭出口症候群とは筋肉や骨などにより腕神経叢や動脈・静脈といった血管が圧迫されることで痛みやしびれが出る症状の事を言う
  • 胸郭出口症候群には斜角筋症候群、肋鎖症候群、小胸筋症候群(過外転症候群)といった種類がある
  • 胸郭出口症候群の原因は神経や血管の圧迫だけではなく筋肉が酷く固まってしまったことで症状が出ている場合もある

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