梨状筋症候群でお尻や足に痛みがある。
仕事や日常生活で歩くとお尻や足に痛みが出るのでつらいし困る。病院に行って出してもらった湿布を貼ったり、痛み止めの薬は毎日ちゃんと続けて飲んでいる。それにもかかわらず痛いまま。
痛みがあまり良くならないのだけれど、先日ふと気づいたことが。それは、歩いているとだんだん痛くなってくるけれど、痛いのを我慢しつつ歩き続けたら少し痛みが楽になってきたこと。
歩くと痛くなるのであまり無理に歩かないようにはしてきていた。でも、痛みを我慢してでも歩き続けたら少し楽になる。これはもしかすると、痛みを我慢してでもドンドンあるいていれば良くなるのでは?
こんなご経験がある方はいませんか?
湿布や痛み止めの薬を飲んでも痛いのに、痛みを我慢して歩いていたら痛みが少し楽になった。だったらもっと歩いた方がいいのでは?こう思うのは当然と言えば当然。実際にこういう経験があると、朝早く起きてとか、夜仕事から帰ってきてからウォーキングでも始めようかな?と思う方もいるでしょう。
ただ、ちょっと待ってください。
梨状筋症候群で湿布や薬がダメだった。でも痛みを我慢して歩いていたら少し楽になった。だったら、時間を作ってドンドンウォーキングでもすれば良くなるのでは?こう考えるのは分かりますが果たして本当にそれで良いのでしょうか?実際迷ってしまう方は多いと思います。
そこで今回は、梨状筋症候群でお尻や足が痛む時に、歩くと少し楽になるのなら歩いた方が良いのかどうかについて解説をしていきます。実際に同じ状況で迷っている方はぜひご参考いただければと思います。
それでは始めますね。
歩くと楽になるなら歩いたほうがいいのか?
梨状筋症候群の痛みがある時に、痛みを我慢して歩いていたら少し楽になった。こういう時はもっと歩いたほうが良いのでしょうか?
この場合の答えは、ダメです。
湿布や薬がダメで、歩いたら少し楽になったのになぜ?って思いますよね。その理由を解説していきますね。
歩いて楽になるのは一時的
梨状筋症候群の痛みが歩くと少し楽になる。そんな場合でも、もっと歩いてはいけないとお伝えしました。その理由は、たとえ楽になったとしてもそれは一時的なものだからです。
長い目で見ると、いつかどこかのタイミングで痛みがひどくなったり、ひどくならないまでも長引くきっかけになりかねません。だから、時間を作って痛みを治す目的でウォーキングをするのはダメなのです。
梨状筋症候群の痛みは何が原因か?
梨状筋症候群はお尻ある梨状筋が坐骨神経を圧迫する結果痛みが出るとされています。ですが、実はこれは間違い。そうではなく、実際には梨状筋含め複数の筋肉が固まってしまった結果として筋肉が原因の痛みが出ていると思ってください。
筋肉は固まってガチガチの状態になってしまうと、筋肉そのものがかなり強い痛みの原因になると思ってください。こういう状態のことを専門用語になりますが筋膜性疼痛症候群と言ってちゃんと名前が付いているんですね。
梨状筋症候群の場合だと個人差はもちろんありますが、主に梨状筋や梨状筋以外のお尻にある筋肉、腰、さらに足の筋肉などが固まってしまうと痛みの原因になると思ってください。
なぜ少し楽になるのか?
梨状筋症候群の痛みは複数の筋肉が固まった結果とお伝えしました。そんな状態の時、痛みを我慢して動いていると、若干固まった状態の筋肉がゆるむことがあります。すべての方ではありませんが、そうなる方もいるということ。
固まった状態が少しゆるむと、少しかもしれませんがそれに伴って痛みも楽に感じることがあります。これが、痛みを我慢してでも歩いていると少し楽になる理由です。
ただ、少し楽になるといっても次の日はどうでしょうか?確かに少しは楽になったけど、次の日になったらまた同じように痛いという状態ではありませんか?だから楽になるといっても一時的というのはこういうことなんですね。
少し楽になったのは治ってきているということではありません。若干筋肉が一時的にゆるんだだけのこと。ですが、これはすぐに戻ってしまうのです。だから次の日はまた同じように痛むわけですね。
無理をして歩き続けるとどうなる?
少しらくになるからといって無理に歩き続けるとどうなるのか?これは先ほども少し触れましたが痛みがいつかどこかのタイミングで悪化します。もしくは悪化しないまでも長引くきっかけになると思ってください。
痛みの原因が筋肉にある時に、その筋肉を使って無理を重ねるわけです。これは当然少し楽になることより痛みがひどくなることが上回ります。だから歩いて治そうとしてはいけないのです。
湿布や薬でダメな理由は?
湿布や薬を続けても痛みが続く理由についても解説をしていきますね。まずは湿布を貼っても痛む理由から。
湿布を貼っても痛む理由
梨状筋症候群の痛みが湿布を貼り続けても治まらない。その理由は、湿布には固まった筋肉をゆるめる作用がもともとないからです。
湿布は消炎鎮痛剤といって炎症が原因の痛みに対しては作用があります。人間の体というのは体の中で炎症が起きるとそれに伴って痛みが出ます。そんな時の痛みに対しては消炎鎮痛剤としての湿布は作用があるということ。
ですが、梨状筋症候群は複数の筋肉が固まってしまった結果の痛み。ですから、そんな時に必要なことは固まって筋肉がゆるむこと。その状態に対して消炎鎮痛剤では作用がありません。だから、ちゃんと湿布を貼り続けても痛みが変わらないということが起きるのです。
薬を飲み続けても痛む理由
続いて薬を飲み続けても痛む理由についても解説をしますね。基本的な理由は先ほどの湿布と同じで、薬にも筋肉が原因の痛みに対して作用がないからです。
梨状筋症候群になった時に処方される薬はいわゆる痛み止めのことが多いです。痛み止めにはいろいろな種類があり作用も異なります。梨状筋症候群の場合は主に神経障害性疼痛といって神経が原因の痛みに対して作用があるお薬が処方されることが多いです。
なので、神経に原因があって痛みが出ているのであればもちろんお薬は作用があるということになります。しかし、固まった筋肉がゆるむ必要がある状態の時に神経に作用がある薬を飲んでもこれは何も変わらなくてある意味当然。
だから、薬を飲み続けてもお尻や足の痛みが変わらないことになってしまうのです。
筋肉が原因なら何をすればいいのか?
固まった筋肉が原因でお尻や足に痛みが出ている。そんな時は何をすれば良いのか?これは先ほども触れましたが固まった状態がゆるむことが必要。そのための方法としてはいろいろありますが、最も簡単でおすすめなのはやはりストレッチです。
固まった筋肉をストレッチで伸ばしてゆるめてあげることが対策になるわけですね。ただ、ストレッチをすればすぐにパッと良くなるのかというとこれもそんなことはありません。筋肉をゆるめることにはなりますが、固まった筋肉はそう簡単にゆるみきってくれないのです。
じゃあ意味がないのでは?
そう思うかもしれませんね。ですが、運動して治すことは筋肉に対して負荷が大きすぎますが、適度に行うストレッチであれば筋肉への負荷も大きくありませんし、筋肉をちゃんとゆるめることにもつながります。なので少しずつで良いので続けることが大切ということになります。
具体的な方法については動画で紹介していますのでご参考くださいね。
最後に
梨状筋症候群による痛みがなかなか治まらないと歩いた方が良いかな?って思いますよね。実際に歩いて少しでも楽になるのならなおさらかと思います。ですが、今回解説したような理由から歩いて痛みを治そうとするのはダメということですね。
それよりも、筋肉への負担が少なくてゆるめることもできるストレッチから始めてみてくださいね。