梨状筋症候群でお尻や足に痛みがある。
こういう時に筋トレでもしたほうが良いのかな?と思う方は多いと思います。梨状筋症候群という病名を言われて、お尻の筋肉が原因なんだったらお尻の筋肉を鍛えたらいいかなとなるのは本当によく分かります。
でも、基本的にですね体の痛みを鍛えることで治そうとしてはいけません。
なぜなら理由はシンプルで痛みがひどくなったり長引くことが考えられるから。筋肉に原因があって痛みが出ているということは、分かりやすく言えば筋肉がケガをしている状態ということ。その状態で筋肉に負荷をかける筋トレをすれば当然ケガがひどくなるということになります。
こう考えると痛みがある時の筋トレは良くないって分かりますよね。健康な時ならもちろんOKですけどね。
ただこういう話をすると、イヤ私がやろうと思っているのはジムに行ってマシンやバーベルを使ったトレーニングではない。自宅で簡単にできるエクササイズをやろうと思っているという方も出てきます。
そうですよね、筋トレじゃなく体を少し動かすようなエクササイズなら良いのではと思いますよね。でもこれも同じ理由でやってはいけません。なぜかと言うと、軽い運動・エクササイズといっても続けることで筋肉にとっては負担になるからです。
そして梨状筋症候群でお尻が痛む時に特にやってはいけないエクササイズがあります。
そこで今回は、梨状筋症候群で痛みがある時にやってはいけないエクササイズについて解説をしていきますのでぜひご参考いただければと思います。
それでは始めますね。
足を真横に上げるエクササイズ
やってはいけないエクササイズの1つ目は、横向きになって足を真横に上げるエクササイズ。
なぜかと言うと、梨状筋症候群といっても梨状筋だけが悪いわけではないからです。どういうことかもう少しくわしく解説しますね。
まずこちらのイラストをご覧ください。
梨状筋のイラストです。
梨状筋がある位置はイラストのとおりいわゆるお尻にあります。そして先ほどのエクササイズは足を真横に上げるエクササイズ。だったら別に問題なのでは?と思うかもしれません。ですがこれが間違いの始まり。
梨状筋症候群というのは別に梨状筋だけが悪いわけではありません。梨状筋以外の複数の筋肉が悪くなっていると思ってください。梨状筋症候群とは梨状筋によって坐骨神経が圧迫された結果痛みが出るとされていますがそうではないということ。
神経が圧迫される結果痛みが出るのではなく、梨状筋を含めその他の腰やお尻、足などの筋肉が固まってしまった結果痛みが出ていると思ってください。そんな風に筋肉が固まってしまった結果痛みが出ている状態を専門用語で筋膜性疼痛症候群といいます。
要するに筋肉がケガをしている状態ということと思ってもらえば分かりやすいでしょうか。
そんな時に、足を真横に上げるエクササイズをすると痛みの原因になっている筋肉にとっては負担になるということですね。
もちろん、マシンやバーベルを使うわけではないので筋トレよりは負荷は少ないです。ですが、こういうエクササイズは通常何回何セットという形で行いますよね。そしてさらにそれを何日も続けますよね。
だからいけないのです。
やろうと思えばできると思います。ですが続けることで筋肉にとっては負担になってしまいます。その結果、いつかどこかのタイミングで痛みがひどくなってしまうということですね。
こんな風に考えると、足を真横に上げるエクササイズはやってはいけないということがご理解いただけたかと思います。
腰とお尻を突き上げるエクササイズ
やってはいけないエクササイズの2つ目は、写真のように仰向けになって腰とお尻を突き上げるエクササイズです。
これもやってはいけません。
理由は先ほどと同じ。梨状筋症候群といっても腰や梨状筋を含む複数のお尻の筋肉が原因で痛みが出ています。つまり、腰からお尻にかけて広い範囲で筋肉が固まってしまった結果お尻や足に痛みが出ているということですね。
その状態でこういうエクササイズをするとやはり痛みがひどくなったり長引くことが考えられます。
先ほどの足を真横に上げるエクササイズと同じで、この動作もやろうと思えば当然できると思います。激痛の場合はちょっと無理かとは思いますが。でも痛いけどとりあえず日常生活や仕事はできるという状態の方ならできますよね。
そしてこのエクササイズもやはり何回何セットで行い何日も継続するわけですよね。それをやっているとやはり痛みがひどくなることが考えられます。
だからこれもやってはいけないということですね。
四つん這いでバランスを取るエクササイズ
やってはいけないエクササイズの3つ目は、写真のように四つん這いの状態から手と足を上げてバランスを取るエクササイズ。エクササイズというよりポーズですかね。
名前が分からないのですが、ヨガで行ったりするのでしょうか。これもやってはいけません。
理由は先ほどまでの2つと同じ。この姿勢でしばらく静止したり、左右の手足を入れ替えて交互に上げたり下げたりするわけです。実際やってみると分かりますが、これ結構腰やお尻に力が入ります。要するに腰やお尻の筋肉に効くということ。
なのでこれもやろうと思えばできると思います。
でも、筋肉に負荷をかけることは間違いありません。だからやってはいけないということ。
良くなりたい気持ちが悪化を招く
こういったエクササイズを、良くなりたいという気持ちから取り組もうと思うのは本当によく分かります。ですが、すでに触れたとおり筋肉が原因で痛みが出ている時にこういうことを続けてしまうと痛みが悪化したり長引くことになりかねません。
そもそもですが、痛みを鍛えたり運動すること、体を動かすことによって治そうとすること自体が良くないということですね。
極端な例をあげると、骨折した時に筋トレしたりエクササイズをすれば骨折が早く良くなるということはありませんよね。骨がくっついた後のリハビリで動かすのは別ですよ。ここで言いたいのは、痛みを治すために運動はするものではないということ。
こういう話をすると、運動で良くなった人もいるという意見も出てきます。
実際そういう方もいるでしょう。ただそれは、本当に運動した結果痛みが治まったのでしょうか?ほとんど良くなりかけていた方が運動をしたということではありませんか?運動を頭ごなしに否定しているのではありません。
痛みが治まれば運動をしても良いししたほうが良いとも思っています。ですが、治すためにするのは違うということですね。
お尻が痛むならまずストレッチ
梨状筋症候群でお尻が痛む時は、あれもこれもダメなら何をすればいいの?と思うかもしれませんね。
こういう場合はまずストレッチからがいいです。
なぜなら、今回解説したように梨状筋症候群といっても腰やお尻など複数の筋肉が固まってしまった結果筋肉が原因の痛みが出ていることが多いからです。なので、固まった筋肉をストレッチで伸ばしてゆるめてあげる。これなら取り組んでもらっても良いですよということですね。
具体的なストレッチ方法についてはこちらの動画で紹介をしています。一度やってみようかなと思った方はぜひご覧いただければと思います。

最後に
梨状筋症候群でお尻が痛む時にやってはいけないエクササイズについて解説をしてきました。
エクササイズを悪者のように解説してしまったかもしれません。それはお伝えしたいことの真意ではありません。そうではなく、筋肉が原因で痛みが出ている時に筋肉に負荷がかかるようなことをして痛みを治そうとするのはいけないということですね。
この点をご理解いただいた上で、まずは最後に紹介したストレッチから始めてもらえればと思います。