梨状筋症候群で朝起きた直後の痛みが強いので毎朝つらい。
梨状筋症候群とは、お尻にある梨状筋という筋肉によって坐骨神経が圧迫された結果痛みが出るとされています。
主にお尻や足が痛くなるわけですが、この痛みは結構強いです。そして朝から痛むとベッドから起き上がるのもちょっと大変というくらい痛む方も珍しくありません。
毎朝こんな風だとつらいし困るので、病院でもらった湿布を貼ったり薬を飲んでいる方も多いと思います。さらに、早く良くなりたいという気持ちから、自分でも何かできないかなと思っていろいろなことに取り組んでいる方も多いでしょう。
病院で治療を受けたりセルフケアに取り組む。こういうことは必要なことですしとても良いことですよね。ただ、セルフケアの中には朝痛む状態なら必要ないことややってはいけないことがあります。なぜなら、続けても残念ながら痛みに対して良い影響はないし、悪化してしまう場合もあるからです。
良いと思っていることが悪化の原因だともったいないですよね。
そこで今回は、梨状筋症候群になってしまって朝起きた直後の痛みがかなり強い。そんな時にいわゆるセルフケアとしては必要ないことや、やってはいけないことはどういうことなのかについて解説をしますのでぜひご参考いただければと思います。
それでは始めますね。
朝の痛みに湿布は必要ない
梨状筋症候群で朝起きた直後が痛む場合、その痛みに対して湿布は必要ありません。
なぜなら、朝の痛みの原因に対して湿布では作用がないからです。つまり、貼り続けても朝の痛みが良くなることはないということ。もう少しくわしく説明しますね。
湿布は消炎鎮痛剤
湿布にはどういう作用があるのかというと、消炎鎮痛剤と言って炎症が原因で出ている痛みに対して作用があります。なので梨状筋症候群によるお尻や足の痛みが炎症によるものなら湿布は作用があると言えます。
ですが、梨状筋症候群による朝の痛みは炎症が原因ではありません。筋肉が固まってしまったことによる痛みです。筋肉が固まったことによる痛みのことを筋膜性疼痛症候群といいます。こういう時必要なことは固まった筋肉がゆるむこと。
筋肉が固まって痛みが出ているためゆるむことが必要。そんな状態に対して炎症に作用がある湿布を貼ってもダメですよね。熱がないのに解熱剤を飲むようなものです。
こう考えると朝の痛みに対して湿布は必要ないということがお分かりいただけたかと思います。
ウォーキングで治そうとしてはいけない
梨状筋症候群で朝起きた直後が痛む場合、その痛みをウォーキングで治そうとしてはいけません。なぜなら、お尻や足の痛みがひどくなることが考えられるからです。
このことについてもくわしく説明しますね。
筋肉が原因で痛みが出ている状態に運動は不要
梨状筋症候群の痛みは冒頭でも少し触れたように、梨状筋によって坐骨神経が圧迫された結果とされています。ですが実際には違います。神経が圧迫された結果の痛みではなく、梨状筋含めその他複数の筋肉が固まってしまった結果の痛みです。
簡単に言うと筋肉がケガをしている状態と思ってください。
そんなケガをしている状態の筋肉でウォーキングをする。これって良くないですよね。分かりやすく言うと、足に大きな切り傷があってまだ傷口も閉じていない状態の時にその傷を治すために歩きませんよね。これと同じこと。
無理してウォーキングを続けると、軽い運動とは言え筋肉にとっては負担です。なのでウォーキングはしなくても良いということですね。
筋トレで治そうとしてはいけない
梨状筋症候群で朝起きた直後が痛む場合、その痛みを筋トレで治そうとしてはいけません。理由は先ほどのウォーキングと同じ。複数の筋肉が原因で痛みが出ている時に、ウォーキング以上に筋肉に対して負荷をかける筋トレは必要ないです。
誤解のないようにお伝えしますが、筋トレ自体は良いことです。しかし、痛みを治すために始めるものではありません。さらに言うと、筋トレって痛くなってから始めても意味がないのです。そんなにすぐに筋力がアップしたり筋肉の量が増えることはないからですね。
健康のため、体力アップのためなどが目的の筋トレならもちろん良いことです。そして健康な時にやるなら何もオカシクないです。ですが、梨状筋症候群になって筋肉に原因があって痛みが出ている。そんな状態の時に、筋肉に負荷をかける筋トレはダメということですね。
筋肉への負担が大きい腰痛体操はやってはいけない
梨状筋症候群で朝起きた直後が痛む場合、その痛みを腰やお尻の筋肉にとって負担が大きい腰痛体操で治そうとしてはいけません。
腰やお尻にとって負担が大きいことを続けると、朝の痛みが良くなるどころか逆にひどくなったり長引くことが考えられます。
やってはいけない体操の例を紹介しますね。
腰を反らす体操
やってはいけない腰痛体操の1つ目は、腰を大きく反らす体操です。これは特にダメ。なぜなら、腰やお尻の筋肉にとって最も負担になるからです。
梨状筋症候群は先ほども触れたとおり複数の筋肉が固まった結果痛みが出ています。そんな時に腰やお尻の筋肉に負荷をかけるこの体操は良くないですね。腰を大きく反らすという動作をくり返すことで固まった筋肉をさらに押し固めているのと同じことになるのがこの体操。
だからやってはいけないということ。
腰とお尻を突き上げる体操
2つ目は写真のように仰向けの状態から腰とお尻を突き上げる体操です。エクササイズと言ったほうが良いかもしれませんね。
これも良くないです。理由は先ほどと同じ。腰やお尻の筋肉に大きく負担になってしまうからです。こういう体操を何回何セットのような形で行い、さらに何日も頑張って継続する。これは筋肉を自分で痛めつけているのと同じこと。
だからやってはいけないわけですね。
バランスをとる体操
最後3つ目は、こちらも体操というよりエクササイズと言ったほうが良いかもしれません。写真のように手と足を交互に上げる動作です。
これも簡単そうに見えますが、実際にやってみると結構腰やお尻の筋肉にも負荷がかかります。なので、健康な時なら良いと思いますが梨状筋症候群で痛む時はダメということ。
これも止めましょうね。
朝の痛みに対してやっても良いことは?
朝の痛みに対してやってはいけないことがいろいろあるのは分かった。じゃあ逆にやっても良いことは何かないの?こう思った方も多いはず。そこでここからは、朝の痛みに対してやっても良いことをいくつか紹介しますね。
お風呂で温める
やっても良いことの1つ目は、お風呂で筋肉を温めるということ。
固まった筋肉が原因なわけですから、温めてあげるのは良いことになります。特別なことをする必要はありません。普段どおりお風呂に入ればそれでOK。普段湯船につかる習慣がない方は、できれば湯船につかるのが良いですね。
熱いお湯や長時間入る必要はないですからね。あくまでも普段どおりで。
マッサージ
やっても良いことの2つ目はマッサージです。
お尻が特に痛む方が多いと思います。そんな時は、テニスボールを使ったマッサージだと簡単にできるのでおすすめ。仰向けに寝て、お尻の下にボールを挟めばそれで良いです。指だと指が痛くなることもあるのでこういった道具を使うと良いですね。
ストレッチ
やっても良いことの3つ目はストレッチです。
やっぱりこれが一番簡単で取り組みやすいかと思います。ポイントとしては、梨状筋症候群といってもお尻だけではなく腰やその他の部分もストレッチするのが良いということ。
具体的な方法についてはこちらの動画をご参考くださいね。

最後に
梨状筋症候群の朝の痛みに対してやってはいけないことを紹介しました。どれも良さそうですよね。ですが、今回解説した理由により必要ないしやってはいけないということになります。
そして代わりに最後に紹介したマッサージやストレッチならおすすめなので少しずつ取り組んでみてくださいね。