梨状筋症候群でお尻が痛い。ストレッチが良いと聞いたのでお尻のストレッチを続けている。
でもなかなかお尻の痛みが変わらない。こういう方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。
ちゃんとストレッチをしていてもお尻の痛みが変わらない。こうなると、なぜかなってなりますよね。そして当然、痛みがまだあるのでどうすれば良いのかなってちょっと不安にもなるかもしれません。
ストレッチのやり方が間違っているのか、またはもっとストレッチにかける時間を増やしたほうが良いのか?などなど考えられることはいろいろあります。
ただですね、実はこういう時って根本的な問題はそこではないことのほうが多いです。つまり、やり方とか時間ということ以外にもっと大きな問題があるということ。そこを変えることのほうが大事だし必要なんですね。
ではその問題は何か?
そこで今回は、梨状筋症候群でお尻が痛む時にお尻のストレッチをしても痛い。そんな時に考えられる理由は何か?そしてお尻のストレッチをしてもお尻の痛みが変わらない時はどうすればいいのか?ということなどについて解説をしていきます。今、一生懸命お尻のストレッチをしているけれどお尻が痛いまま。そんな方はぜひご参考くださいね。
それでは始めますね。
お尻のストレッチをしてもお尻が痛む理由は?
まずは、お尻のストレッチをしてもお尻が痛む理由から解説をしたいと思います。
これはとっても単純で、梨状筋症候群といってもお尻だけが原因ではないからということになります。もう少しくわしく説明しますね。
梨状筋症候群の間違い
梨状筋症候群とは、お尻にある梨状筋という筋肉がお尻から足にかけて出ている坐骨神経を圧迫した結果痛みが出るとされています。ですが、まずこれが間違い。お尻が痛い場合でも梨状筋だけが悪いわけではなく、梨状筋を含めその他のお尻の筋肉やさらに言うと腰や股関節周りの筋肉が痛みの原因になっていると思ってください。
神経が圧迫された結果痛みが出ているのなら、ずっと痛みがあるはずです。しかし実際には痛い時もあれば痛くない時もあるという状態ではありませんか?もしそんな状態ならこれは神経が圧迫されたことによる痛みではありません。
そうではなく筋肉が固まったことによる痛みです。
痛みの原因は神経圧迫ではなく筋肉そのもの
筋肉は疲労がたまると筋肉の中にコリができます。そしてそのコリをそのままにしておくとだんだん部分的なコリが筋肉全体に及ぶと思ってください。その結果、筋肉が広い範囲で縮んで固まってしまいます。そして触るとガチガチの状態になってしまいます。
そうなると、筋肉そのものがかなり強い痛みの原因になるんですね。筋肉そのものが痛みの原因になっている状態を専門用語で筋膜性疼痛症候群といいます。
梨状筋症候群と呼ばれる状態も実はこの筋膜性疼痛症候群の場合がほとんど。神経が圧迫されているわけではなく、梨状筋を含めその他複数の筋肉が固まって痛みの原因になっているということですね。
お尻のストレッチは良いことだけど
梨状筋を含め複数のその他の筋肉が痛みの原因になっている。こういう状態の時にお尻のストレッチをすること自体は良いことだし必要と言えます。ですが、お尻以外の筋肉も痛みの原因になっている方がほとんど。
ということは、お尻以外もストレッチしてあげる必要があるわけですね。たとえば、腰の筋肉が固まってしまってお尻の痛みの原因になっていることは珍しくありません。こういう場合、当然ですがお尻の筋肉だけではなく腰の筋肉もストレッチしてあげることが良いですよね。
同様に、股関節周りの筋肉が原因でお尻に痛みが出ることもあります。つまり、お尻が痛いからといってお尻だけが痛みの原因ではないということですね。だから、お尻が痛む時でもお尻以外の複数の筋肉をストレッチしてあげることが良いわけですね。
こう考えると、なぜお尻のストレッチをしてもお尻の痛みが変わらないのかということがご理解いただけたのではないでしょうか。
こんな場合は複数の筋肉が原因
梨状筋症候群は梨状筋だけではなく、その他のお尻の筋肉など複数の筋肉が原因とお伝えしました。ここからは、こんな状態なら腰や股関節周りなど複数の筋肉が原因という状態の例を紹介します。
複数の筋肉が原因の状態
- 朝目が覚めて起き上がる時にお尻が痛い
- 歩くとお尻や足が痛い
- 長時間立っているとだんだんお尻が痛くなる
- 長時間座っているとだんだんお尻が痛くなる
- あぐらをかこうとするとお尻が痛い
- お尻が痛む時と腰が痛む時がある
- お風呂上がりは少し楽
他にも考えられる状態はありますが、上記のような場合だと梨状筋を含めた複数の筋肉が原因でお尻やその他の部分にも痛みが出ていると考えることができます。
ちなみに湿布や薬はどうなのか?
梨状筋症候群でお尻が痛む時に、複数の筋肉が原因ということは分かった。じゃあそんな場合、複数の場所に湿布を貼ったり、痛み止めの薬を飲んだりするのはどうなの?と思った方もいるかもしれません。
そこで、梨状筋症候群に対しての湿布と痛み止めの薬について解説を加えておきたいと思います。
湿布や薬ではダメ
梨状筋症候群でお尻が痛む時に、湿布や痛み止めの薬は残念ながら続けても痛みが変わらないです。なぜなら、どちらも良い・悪いということではなくそもそも筋肉が原因の痛みに対して作用がないから。
湿布は消炎鎮痛剤といって炎症が原因の痛みに作用がある貼るタイプのお薬です。そして、痛み止めは消炎鎮痛剤としての痛み止めもあれば、神経障害性疼痛といって神経が痛みの原因になっている状態に対して作用がある薬もあります。
湿布も痛み止めも、それぞれ炎症や神経が原因なら作用があります。しかし、固まって痛みの原因になっている筋肉をゆるめる作用はありません。だから、湿布を貼り続けても痛み止めの薬を飲み続けても、筋肉が固まった結果痛みが出ている場合には作用がないので変わらないということになるのです。
痛みの原因とそれに対しての対策の組み合わせが間違っているということですね。こう考えると、湿布や痛み止めの薬が良い・悪いではなくそもそも作用がないからダメなんだということがご理解いただけたのではないでしょうか。
複数の筋肉が原因なら何をすればいい?
梨状筋症候群は梨状筋を含め複数の筋肉が原因とお伝えしました。ではそんな状態なら何をすればいいのか?この場合は、すでに解説をしましたが複数の筋肉をストレッチしてあげることが対策になります。つまり、広い範囲のストレッチが良いということ。
そんな広い範囲で行うストレッチ方法についてはこちらの動画で紹介しています。じゃあ一度試してみようかなと思う方はぜひご参考くださいね。

最後に
梨状筋症候群でお尻が痛む時にお尻のストレッチをしてもお尻の痛みが変わらない。その時の理由や必要な対策について解説をしてきました。
梨状筋症候群と言っても、梨状筋だけが悪い方はまずいません。今回解説したように複数の筋肉が固まってしまった結果、筋肉が原因の痛みが出ている方がほとんどです。この状態の時は、お尻のストレッチももちろん良いことだし必要ですが、それ以外の部分もストレッチやその他の対策が必要になります。
なので、まずは今回紹介した広い範囲のストレッチに少しずつ、無理のない範囲で構いませんから取り組んでもらえればと思います。