梨状筋症候群になり朝起きた直後がお尻や足がとにかく痛い。
梨状筋症候群とは、お尻にある梨状筋という筋肉によって坐骨神経が圧迫される。それによってお尻から足にかけて痛みが出る状態のことを言います。
そんな梨状筋症候群になり、朝起き直後がいつも痛いので寝る前にお尻に湿布を貼っている。それでもやっぱり朝は痛い。こういう状況が続くとつらいし不安にもなりますよね。
また、ちゃんと毎晩湿布を貼ってから寝ていても毎朝痛む状況が続くとどうすればいいかな?と思う方も多いでしょう。
ただ、実はこういう時はなぜ朝痛むのか、そしてそんな時にやってはいけないこと・やってもいいことがちゃんとあるのです。
ではそれは何か?
今回は梨状筋症候群で朝痛む時の原因、やってはいけないこと、やってもいいことについて解説をしていきますね。
それでは始めます。
朝の痛みの原因は何か?
梨状筋症候群による朝の痛みの原因は梨状筋によって坐骨神経が圧迫されることではありません。
そうではなく、梨状筋を始めとするお尻や腰、股関節周りにある複数の筋肉、さらには足の筋肉が固まってガチガチになってしまった結果痛みが出ているのです。
そもそもですが、坐骨神経が圧迫された結果痛みが出ているのなら朝の強い痛みが一日中続いていないとオカシイですよね。
そんな状況ではなく実際には、朝起きた直後はすごく痛いけど時間とともに痛みが弱くなっていく。こういう方がほとんどではないでしょうか。
そのように時間の経過に伴って痛みが弱くなっていくのは固まった筋肉が原因の証拠。なぜなら、固まった筋肉が朝起きてから着替えたり朝食をとるといったいわゆる朝の準備をしているうちに弱くなっていくのは筋肉が少しゆるむからです。
だから、時間の経過に伴って痛みもだんだん弱くなるということ。
こう考えると、坐骨神経が圧迫されることではなく複数の筋肉が固まってガチガチになっている結果痛みが出るという理由がお分かりいただけたかと思います。
湿布を貼っても朝痛む理由
梨状筋症候群でお尻が痛い。だから寝る前にお尻に湿布を貼ってから寝ている。でもやっぱり朝は痛い。こういう方は多いと思います。
ではなぜ、湿布を貼り続けていても朝の痛みは変わらないのでしょうか?
この理由はとってもシンプル。
湿布の作用ということから順番にみていくと分かります。湿布はどういう薬かというと、消炎鎮痛剤といって炎症が原因の痛みに対して作用がある貼るタイプの薬。
人間の体というのは、体の中で炎症が起きるとそれに伴って痛みが出るという仕組みになっていると思ってください。
なので、お尻が痛む時にその痛みの原因が炎症が起きたことによるものであれば湿布は作用があると言えますよね。
ですが、梨状筋症候群によるお尻の痛みは、先ほど解説したとおり筋肉が固まってガチガチになってしまったことで出ている痛みです。この状態に必要なことは、固まって痛みの原因になっている筋肉がゆるむこと。
しかも梨状筋だけではなくお尻のその他の筋肉、腰、股関節周りの筋肉といった複数の筋肉が原因。そんな時に湿布をお尻に貼っても残念ながら痛みは変わりません。
なぜなら、湿布は炎症に対して作用があっても、固まってガチガチになっている筋肉をゆるめる作用が元からないからです。
いかがでしょうか?こう考えると湿布が良い・悪いではなく貼り続けても朝の痛みが変わらない理由がお分かりいただけたのではないかと思います。
お尻が朝痛む時にやってはいけないこと
梨状筋症候群によるお尻の痛みの原因が筋肉にあるということは大分ご理解いただけたかと思います。
ではこういう時、朝の痛みに対してはどういうことをすれば良いのでしょうか?気になりますよね。具体的に何をすれば良いかを紹介する前に、逆のやってはいけないことを先に紹介させてください。
なぜやってはいけないのかというと、朝の痛みがさらにひどくなることが考えられるからです。良いと思っていることが悪化の原因になるとイヤですよね。なのでまずはやってはいけないことから。
朝の痛みを治すためのウォーキング
朝の痛みを治すという目的でのウォーキングはやってはいけません。
理由はこれまで述べてきたとおり、梨状筋症候群と言っても筋肉が固まったことで痛みが出ている状態だからです。
筋肉が痛みの原因になっているというのは、簡単に言うと筋肉がケガをしている状態だと思ってください。そんなケガをしている状態の筋肉でたとえ30分程度のウォーキングでも続けて行っているといつかどこかのタイミングで痛みが悪化することがあります。
だからやってはいけないということ。
ウォーキングなんて軽い運動だし良いんじゃないの?と思うかもしれません。確かにウォーキングはハードな運動ではありません。ですが、続けているとそれはやはりケガをしている状態の筋肉にとっては負担になってしまうのです。
ちょっと極端な例ですが、骨折して痛む時にその痛みをウォーキングで治そうとは思いませんよね。梨状筋症候群で痛む時もこれと同じように考えてください。
ウォーキング自体は健康な時であれば良い運動だと思います。ですが、そもそも痛みを治す目的で取り組むものではないということを知ってもらえればと思います。
ちなみにこういう話をすると、じゃあ安静にしてなければいけないのか?と思う方もいるかもしれませんのでこのことについても説明をしておきますね。
仕事や日常生活で必要な範囲で歩くことは構いません。歩かなければいけない部分があるというのが現実でしょう。ですから、必要な範囲で歩くのはいいです。問題なのは痛みを治すために時間を作ってウォーキングをするということ。
この点を間違えないようにしてもらえればと思います。
痛みを治すための筋トレ
続いてのやってはいけないことは、痛みを治すための筋トレです。特にスクワット。
梨状筋症候群でお尻が痛い。だったら痛むお尻を鍛えれば良いのでは?こう考えてしまう方は多いです。お気持ちは分かりますよ。でもこれもやはりやってはいけません。
なぜかというと理由は先ほどのウォーキングと同じ。
筋肉が原因の場合に、筋トレは筋肉にとっては負担なのです。特にお尻に大きく負荷がかかってしまうスクワットを続けるとやはり悪化することが予想できます。
なのでやってはいけないということですね。
筋トレ自体も健康な時なら良いことですよ。ですが、痛みを治すためにやるものではないという意味ではウォーキングと同じなのです。
やってはいけない体操
やってはいけないことの最後3つ目は腰を反らす体操です。
これはやってはいけません。一見なんとなく良さそうに思えますよね。ですが絶対ダメ。なぜなら、腰やお尻の筋肉を自ら縮める動作だからです。
筋肉が原因の痛みは筋肉がガチガチに固まっているため出ます。こういう筋肉の状態の時に、腰を大きく反らすという動作は固まった筋肉をさらに縮めることになります。ですから、この動作自体はウォーキングよりも筋トレよりも軽いし簡単な動きです。
ですが、続けているとやはり悪化につながります。だからやってはいけないということですね。
他にもいろいろありますが、筋肉にとって負担になることは控えてくださいね。
やっても良いことは何か?
筋肉が原因の場合にやってはいけないことは何かを紹介しました。ここからは、逆にやっても良いことを紹介していきたいと思います。
やっても良いことはいろいろありますが、簡単に取り組めることを紹介しますね。
テニスボールでマッサージ
やっても良いことの1つ目はテニスボールを使ったマッサージです。
実際に今されている方も多いかもしれませんがこれはやっても大丈夫です。お尻の筋肉を指でマッサージするのはやりにくいし指も疲れます。
なのでテニスボールを使ったマッサージならやりやすいし当然指も疲れませんからOKということになります。
ただし注意点があります。
- 絶対にグリグリ力まかせに揉みすぎない
- 長時間揉みすぎない
この2点については気をつけてくださいね。やり過ぎてしまうとその時は気持ちよく感じても、後から痛みが増してしまうことがありますから注意してください。
ストレッチ
やっても良いことの2つ目はストレッチです。
これはイメージしやすいかと思います。今回ずっと解説してきているように、筋肉が固まった結果痛みが出ているわけですからその筋肉をストレッチで伸ばしてあげる。これはやってもらっても大丈夫ということになります。
ただし、ストレッチについても注意点があります。
- 力まかせに伸ばさない
- グイグイと反動をつけて伸ばさない
- 長時間やり過ぎない
この3点についてはマッサージと同じく気をつけながら取り組むようにしてください。ストレッチといえどもやり過ぎるとやはり痛みが増すことがあります。ですから、優しくていねいに、心地よく感じる程度に伸ばすようにしてください。
時間はちょっと物足りないかなというくらいで十分。そしてお風呂上がりに取り組むのがやりやすいと思いますので可能であればお風呂上がりで体が温まっている時に伸ばすようにしてみてくださいね。
ストレッチが良いのは分かったけど、具体的にはどうやって伸ばせばいいの?という方も多いと思います。そんな場合はこちらの動画でストレッチの方法を紹介していますのでご参考ください。
最後に
梨状筋症候群で朝痛む時の原因や対策について解説をしてきました。
梨状筋症候群といっても、神経圧迫ではなく複数の筋肉が原因で痛みが出ています。ですから、最後に紹介したマッサージやストレッチが対策になるわけですね。
朝の痛みはつらいと思いますが、こういうことに少しずつで良いですから取り組んでみてくださいね。