腰の椎間板ヘルニアによる痛みが続いていて治まらない。
椎間板ヘルニアとは、背骨と背骨の間になる椎間板と呼ばれる部分の中から随核(ずいかく)という部分が飛び出すことで神経を圧迫し痛みが出る状態のことを言います。
この痛みには個人差がもちろんありますが、強烈な痛みの場合は歩くことも困難になることも。
そこまでではない場合であっても、痛みが続くとやっぱりつらいし不安にもなりますよね。
ただ、多くの方は痛みに対して何らかの治療等を受けているはず。それにも関わらず痛みが続く。これってなぜでしょうか?
実はこういう場合、痛みの原因がそもそも大きく間違っている場合がほとんど。
ではどのように間違っているのか?そしてそんな場合は何をどうすれば良いのか?について解説をしていますのでご参考ください。
それでは始めますね。
ここが変だよ椎間板ヘルニアの原因
腰の椎間板ヘルニアによる痛みが続く場合、なぜ続くのかというと実は痛みの原因と関係があります。
椎間板ヘルニアの痛みは神経が圧迫されることによって出るとされています。実際に神経が原因野方はいます。そして、神経に対しての治療等で元気になる方ももちろんいます。
ですが、MRIの検査で椎間板ヘルニアと診断され、そして神経に対して薬や注射、場合によっては手術をして神経圧迫が取り除かれて手術が成功した場合でも痛みが変わらない方がいるのも事実。
なぜでしょうか?
その理由は、椎間板ヘルニアと言ってもすべての場合で神経圧迫に原因があると考えるとおかしいからということになります。
では何が原因かと言うと、神経は関係なく筋肉が痛みの原因になっていることがあるからです。なぜそう言えるのかというとちゃんと理由があります。
それについては、神経が原因と考えると変な点がありますのでそのことについて順番に解説をしてきます。
なぜ、神経が圧迫されている部分は痛くない?
腰の椎間板ヘルニアで神経圧迫が原因と考えるとおかしい部分の1つ目は、神経が圧迫されている部分は痛くないということ。
椎間板ヘルニアになりやすいのは、腰椎の4番目や5番目、腰椎の5番目と仙骨の間です。
そして実際にMRIの検査でそういった部分がヘルニアの状態になっている方に、神経が圧迫されている部分を教えた上で「ここは痛みますか?」と尋ねても痛くないという答えが返ってきます。
これって変でしょ。
なぜかというと、神経が圧迫されている部分というのは椎間板と神経が直接ぶつかっている部分。そこが痛くないっておかしくないですか?
例えば、切り傷を指で触ると痛いですよね。もし切り傷を触って痛くないなんてことになったらおかしいですよね。
理屈はこれと同じ。
つまり、神経が圧迫されていることは事実であっても、必ずその神経が圧迫されていることで痛みが出ているわけではないということになるのです。
これがおかしいことのまず1つ目。
痛い時と痛くない時がある
腰の椎間板ヘルニアで神経圧迫が原因と考えるとおかしい部分の2つ目は、個人差はありますが痛い時と痛くない時がある方がかなり多くいるということ。
先ほどの画像で見たように、椎間板ヘルニアになると神経は24時間圧迫されたままの状態。
そしてですね、椎間板ヘルニアといわれた方は1日を振り返って痛みのことを思い出してみてください。
1日中ずーっと一定の強さで痛みますか?
もし、そのように一定の強さで痛みが途切れることなく24時間ずっと痛み続けているのであればそれは本当に神経が圧迫されていることによって痛みが出ていると言えるでしょう。
ですがそうではなく、確かに痛みはあるけれど1日の中で痛みが弱い時や痛くない時もあるならそれは神経が圧迫されていることが原因と考えるとおかしいですよね。
なぜなら、神経圧迫の状態は24時間変わりません。それなのに、痛みが弱くなったりさらには感じない時があるというのはどう考えてもおかしいですよね。
痛みが弱くなるなら何となく分かる気もしますが、痛くない時はその時しばらくの間飛び出した部分がヒュッと引っ込んだのでしょうか。そしてまた痛くなった時は再度飛び出したからでしょうか。
さらに言うと痛くない時が1日のうちで何度かあるなら、その度に飛び出したり引っ込んだりをくり返したのでしょうか。
そんなことは120%あり得ません。
このことから考えると、痛くない時がある方の場合は神経圧迫が原因と考えるとおかしいということになります。
これが2つ目ですね。
右なのに左、左なのに右の人がいる
腰の椎間板ヘルニアで神経圧迫が原因と考えるとおかしい部分の3つ目は左右逆の人がいるということ。
何が左右逆かというと、右に飛び出しているのに痛いのは左だったり、左に飛び出しているのに痛いのは右という状態になっている方のことです。
実際に多くはないですが、こういう方がいるのは事実。
おかしいですよね。神経圧迫が原因なら、右に飛び出していれば痛いのは右のはずだし左に飛び出していれば痛いのは左のはず。
それなのに逆の人がいる。数は多くないとはいえ、こういう方の場合もやはり神経圧迫が原因と考えるとおかしいですね。
これが3つ目。
固まった筋肉が原因の人はかなり多い
ここまで、神経圧迫が原因と考えるとおかしい場合があるという例をみてきました。ではそういう人は何が原因かというと、最初に少し触れましたが固まった筋肉のことがほとんど。
筋肉というのは固まってガチガチになってしまうと、筋肉そのものがかなり強い痛みやしびれの原因になってしまうと思ってください。
そしてそんな筋肉に原因がある状態のことを筋膜性疼痛症候群と言います。ちゃんと名前もあると言うことですね。
筋肉が痛みの原因になっている時は何が必要かと言うとこれはシンプル。
固まってガチガチになってしまった結果痛みが出ているわけです。だから逆にその固まった状態がゆるんでもとの状態に戻れば良いということになります。
正確にかつ専門的に言うと少し違うのですが、とりあえずゆるむことが必要なんだと思っておいてもらえば大丈夫です。
筋肉が原因の時に湿布・薬・注射は?
筋肉に原因があって痛みが出ることはまあ何となく分かった。
じゃあそんな時に、病院でもらえる湿布とか痛み止めの薬はどうなのかな?と思った方もいるかもしれません。また、ペインクリニックで行われることが多いブロック注射は?と思った方もいるでしょうからこれらについて解説をします。
結論を先に言うと、筋肉に原因がある場合は湿布・薬・ブロック注射は不要。さらに言うと手術も不要です。
不要と言うより、不適応と言った方が正確でしょうか。なぜなら、これはそれぞれの作用を見ていくと分かるからです。
まず湿布は消炎鎮痛剤なので炎症が原因の痛みには作用がありますが筋肉が原因の場合には作用がありません。つまり、固まった筋肉をゆるめることは湿布ではできないということ。
続いて痛み止め。痛み止めには炎症に作用するものと神経に作用するものがあります。ですがどちらも筋肉への作用がありません。つまり飲み続けても筋肉はゆるまないということになります。
そしてブロック注射と手術。これはどちらも簡単に言うと神経に対してのもの。ブロック注射は神経に対しての麻酔のようなものです。そして手術については改めて説明の必要はないかもしれませんが神経の圧迫と取り除くためのもの。
どちらも神経が原因の場合への方法ですね。だからどちらも不要というか不適応ということになるのです。
※誤解のないようにお伝えしておきますが、湿布や薬、ブロック注射、手術がダメと言うことではありませんよ。必要な方はいます。筋肉が原因の場合には不適応といういことですのでお間違えのないようにお願いします。
筋肉が原因なら何をすればいい?
腰の椎間板ヘルニアといっても、神経圧迫ではなく固まった筋肉が原因の方がいるということはもうおわかりいただけたと思います。
ではそういう場合は何をすれば良いのか?
具体的な方法としては大きく分けると2つあります。セルフケアと筋肉が原因の痛みへの専門的な対策ですね。
セルフケア
セルフケアとしてはストレッチが簡単で取り組みやすいでしょう。
ヘルニアなのにストレッチ?と思った方もいるかもしれませんね。でも筋肉が固まって痛みが出ているわけですから筋肉をゆるめる目的のストレッチは理にかなっています。
腰、お尻、股関節周り、足。行為打った部分の筋肉をストレッチで伸ばしてゆるめてあげるといいですね。お風呂上がりがやりやすいですからおすすめです。
より具体的な方法についてはこちらも動画でも詳しく解説をしていますのでご参考くださいね。
専門的な施術
筋肉が原因の痛みに対しては専門的な施術方法もあります。トリガーポイント鍼療法という鍼の施術方法なのですが、固まって痛みの原因になっている筋肉へ施術をする方法。
なので、腰の椎間板ヘルニアといっても筋肉に原因があるならこういう方法もあるということを覚えていおいてくださいね。
最後に
腰の椎間板ヘルニアについておかしな点や対策について解説をしてきました。
専門分野のことなので少し難しかったかもしれません。ですが、要するに何でも神経が原因ということではないということ。
ここだけは覚えて欲しいなと思います。
そして、神経が原因なら神経への対策があるように、筋肉が原因なら筋肉への対策もあるということもまた覚えておいてもらえれば嬉しいです。