腰の椎間板ヘルニアになり足がビリビリしびれる。
椎間板ヘルニアとは、背骨と背骨の間にある椎間板と呼ばれるクッションの役割をしている部分の中にある随核が飛び出して神経を圧迫する状態のこと。
そして、神経が圧迫されることによって痛みやしびれが腰やお尻、足に出るとされています。
椎間板ヘルニアという名前を聞いたことがある方は多いと思います。くわしいことは分からなくても、一般的な腰痛よりはひどい病気なんだろうなということは分かるかと思います。
ただ、そんな腰の椎間板ヘルニアになってしまうとかなり不安ですよね。
特に足がしびれると痛みよりはまだ耐えやすいけれど、大丈夫かなという気持ちはいっそう強くなるのではないでしょうか。
このしびれですがたしかにちょっと不安になるかと思いますが、くわしく知れば実はそこまで怖がる必要がないことも分かるかと思います。
そこで今回は、腰の椎間板ヘルニアについて知って欲しいことを解説していきますのでぜひご参考頂ければと思います。
それでは始めますね。
足のしびれは何が原因?
腰の椎間板ヘルニアによる足のしびれは何が原因か?
こう聞かれたら、そんなの神経に決まってるじゃないか何を今さら!と思う方は多いでしょう。ただこれは半分合っていますが半分間違っています。
どういうことかと言うと、確かに神経が圧迫されてい足にしびれが出ている方はいます。そりゃあ椎間板ヘルニアですから当然と言えば当然。
ですが、実は神経だけがしびれの原因ではありません。
他にはじゃあ何が原因としてあるのかというと、実はイメージしにくいかもしれませんが筋肉が固まってしまった場合でも足にしびれが出ることがあります。
もう少しくわしく説明しますね。
筋肉が原因のしびれって?
そもそもなのですが、腰の椎間板ヘルニアといってすべての方が神経に原因があってしびれや痛みが出ている分けではありません。筋肉が固まってしまった結果しびれや痛みが出ている方もかなり多くいると思ってください。
筋肉は固まってガチガチの状態になると、筋肉そのものがしびれや痛みの原因になります。こういう状態のことを筋膜性疼痛症候群といってちゃんと専門用語があるということ。
これ以上専門的な話はちょっと難しすぎるので、とりあえず筋肉が固まるとしびれや痛みの原因になってしまうと思っておいてください。
ただ1点誤解しないで欲しいことがあります。
何かと言うと、固まった筋肉が原因という話をすると、ああそうか固まった筋肉が神経を圧迫するんだ!と思ってしまいがちということ。もし筋肉が神経を圧迫するのなら、しびれや痛みの原因は神経にあると言うことになりますよね。
違うんです。
そうじゃなくて、あくまでも筋肉そのものがしびれや痛みの原因になると思ってください。???ってなるのは分かりますが、これ以上は専門性がかなり高い話なのでとりあえず筋肉が原因と思っておいてくださいね。
神経が原因だとおかしい場合
腰の椎間板ヘルニアによる足のしびれは、確かに神経が圧迫されることによって出ている場合があります。ですがすべてではありません。なぜそう言えるかというと、神経に原因があると考えるとおかしい場合がいろいろあるからです。
ここからはそのおかしい場合をいくつかあげていきますね。
しびれない時があるのはおかしい
神経が圧迫された結果足にしびれが出ているのなら、1日中ずっと足が一定の強さでしびれていないとおかしいです。ですが実際には、足がしびれる時もあればしびれない時もあるという方が大半。
これっておかしくないですか?
なぜなら、神経圧迫のことをちょっと考えてみましょう。MRIで神経が圧迫されている状態の画像を病院で先生から見せてもらった方は多いですよね。あの画像のことを思いだしてみてください。
神経が圧迫されている状態は24時間変わりません。それなのに、しびれない時が1日の中であるっておかしいですよね。しびれない時だけ飛び出した部分がヒュッと引っ込んだのでしょうか?そんなことは120%あり得ません。
飛び出しものは基本的にずっと飛び出しままです。それなのに、しびれない時がある状態を神経圧迫が原因と考えるとおかしいということになります。
これがまず1つ目。
薬を飲んでもなぜ変わらない?
腰の椎間板ヘルニアになり足がしびれる場合、ヘルニアの状態や担当の先生の診断次第にはなりますが薬が処方されることが多いです。一般的によく処方されるのは神経障害性疼痛といって神経が原因で出ている痛みやしびれに対して作用があるリリカというお薬。
この薬は、簡単に言うと神経に作用してしびれや痛みを抑えるためのものです。
そんな良い薬なのに、飲んでも全くしびれも痛みも変わらない方が多くいます。そして薬を飲んでも変わらないのに、お風呂上がりはしびれが楽になっている方がいるのも事実。
これって、ヘルニアによるしびれに対しては薬よりお風呂のほうが効果があるということでしょうか?いいえ違います。こんな風になる場合はそもそも神経が原因ではない状態であるということ。
リリカを飲んでもしびれが変わらないのに、お風呂に入った後はしばらくの間かもしれませんがしびれが楽になっている。これは、筋肉に原因があってしびれが出ている状態だから。
もう少しくわしく言うと、固まってしびれの原因になっていた筋肉がお風呂に入ることによって温まった結果少しゆるんだわけですね。だから痺れもそれに伴って一時的かもしれませんが楽になったということ。
こんな風に筋肉に原因がある時は、その筋肉がゆるむことが必要。なので、リリカがダメということではありません。そうではなく、そもそも痛みの原因が筋肉だったため、リリカは作用しなかったということになります。つまり、リリカは神経に作用はあっても固まった筋肉をゆるめる作用が元からないとうことですね。
だから飲んでも変わらないのです。これが2つ目。
本当に神経が原因なら重篤な症状が出る
腰の椎間板ヘルニアで、本当に神経が圧迫された結果しびれが出ているのならもっと重篤な症状が出てもおかしくありません。
たとえば、麻痺や膀胱直腸障害といった症状。
麻痺は文字通りの麻痺ですね。足の力が入らなくなったり感覚もかなり鈍くなってしまいます。そして、もう1つの膀胱直腸障害というのは簡単に言うと排泄に障害が出る状態のことを言います。これらは本当に神経が圧迫された結果見られる症状。
もちろん、神経が原因の方であってもすべての方にここまで重篤な症状が見られるわけではありません。ずっとリリカを飲み続けてもしびれが変わらないなら症状が進行することも考えられますよね。ただ実際にはここまで進行する人はほとんどいないということ。
これはやはり神経圧迫ではなく筋肉に原因がある足のしびれということになります。
こんな場合は筋肉が原因のしびれ
ちょっと難しかったかもしれませんが、ここまで来れば筋肉が原因のしびれもあるんだということは大分ご理解いただけたのではないでしょうか?
まだ物足りないですか?
そういう方もいると思いますので、もう一押しするためにこんな状態なら腰の椎間板ヘルニアによる足のしびれといっても実は筋肉が原因と考えられる例をいくつかあげてみますね。ご自身の今の状態と比べていくつ該当するか数えてみてください。
- 歩く時間が長くなるにつれてしびれが増す
- 立ったままでいるとだんだん足がしびれてくる
- 座ったままでいるとだんだん足がしびれてくる
- 前屈・後屈といった動作に伴って足にしびれが出る
- 歩くとしびれてくるが休むとしびれが治まっていく
- しびれる時としびれない時、しびれる日としびれない日がある
- お風呂上がりはしびれが少し楽
他にも考えられるものはありますが、もしこれらのうち1つ以上に該当するようなら今のあなたの足のしびれは腰の椎間板ヘルニアといっても実は神経圧迫ではなく筋肉が固まった結果出ていると考えることができます。
筋肉が原因のしびれはどうすればいいの?
腰の椎間板ヘルニアに伴う足のしびれの原因が神経だけではなく筋肉にあることはよく分かった。じゃあそんな筋肉が原因時はどうすればいいの?こう思った方も多いでしょう。
筋肉が原因の時は、筋肉が固まった結果しびれが出ている状態でしたよね。こういう時はその固まった状態がゆるめば良いということになります。
そのために簡単に取り組めることとしてはストレッチがあります。原因になっている筋肉を伸ばしてゆるめることが対策になるということですね。
ただそう言われてもやり方が分からないという方もいると思いますので具体的なストレッチ方法についてはこちらの動画でいろいろな方法を紹介していますので試してみてくださいね。
最後に
腰の椎間板ヘルニアによる足のしびれの原因が筋肉というのはちょっと信じられなかったかもしれません。ですが事実は事実。
神経が圧迫されたことによる足のしびれはあります。ですが、すべての方が神経に原因があるわけではないということをとにかく知ってもらえればと思います。
腰の椎間板ヘルニアって不安ですよね。ですが、筋肉が固まっただけという状態なら、単にその筋肉がゆるめばいいだけとも言えます。だからこそ、最後に紹介したストレッチからまず始めてみてもらえればと思います。