腰の椎間板ヘルニアになってしまい痛みやしびれがある。
こういう時、病院などで何らかの治療や施術を受けている方がほとんどかと思います。治療や施術はちゃんと受けるつもりでいる。でもそれに加えて、自分でも何かできることはないかな?こう思う方は多いでしょう。
いわゆるセルフケアということですね。
セルフケアに取り組むこと自体は良いことですよ。誰しも早く良くなりたいっていう純粋な気持ちがありますものね。ただ、そのセルフケアの中には、これは良いことなのではとか必要なのではと思っていることでも実はやらなくても大丈夫なことがあります。
やらなくても良いことを一生懸命続けていると、ちょっと言い方は悪いですが単に無意味なことを続けているだけになってしまいます。その結果、時間やお金で損をしてしまっていることも。また、場合によっては症状が悪化することもあるかもしれません。
良いと思って始めたことが、実はやらなくても良いことだとちょっともったいないですね。ですが、こういうことは事前に知っておけば避けることができる問題です。
そこで今回は、腰の椎間板ヘルニアになった時にやらなくても大丈夫なことを紹介していますのでセルフケアを考えている方はぜひご参考ください。
それでは始めますね。
着けても変わらないコルセット
やらなくても大丈夫なことの1つ目は、着けても痛みが変わらない場合のコルセットです。
腰の椎間板ヘルニアなんだからコルセットは良いことでは?こう思った方も多いかもしれません。もちろん、コルセットを着けることで日常生活や仕事中の痛みが少しでも楽に感じるのであれば良いことだし必要です。
やらなくても良いのは、「着けても痛みが変わらないコルセット」なのです。コルセットを着けても歩くと痛いし、立ち上がる時の痛みも変わらない。座っていると正直なところお腹周りが苦しいのでむしろ邪魔なくらい。
こういう方もいらっしゃると思うんですよね。
なので着けて痛みが楽ならもちろん良いことですよ。でも、着けても痛みが全く変わらないしむしろ邪魔くらいに感じるのなら不要です。そんな状態なら単に体をしめつけているだけということにもなっています。
これってやらなくても良いと思いませんか?
なので、コルセット自体はつけることで体の痛みが少しでも楽に感じるのなら着けたほうが良いです。でも全く痛みが変わらなくて邪魔に感じるくらいならむしろ外しておくほうが良いですね。
これがまず1つ目。
ウォーキング
やらなくても大丈夫なこと2つ目はウォーキングです。
腰の椎間板ヘルニアになった方でウォーキングをしたくなる。お気持ちはよく分かります。おそらく、ヘルニアになってしまった、歩くと痛い、でも我慢してでも歩かないと将来歩けなくなったら困る、ウォーキングを始めなければ!とこんな風に考えるのではありませんか?
こうなってしまうのは本当に分かります。でも、そもそも痛みがあるのにウォーキングは不要です。さらに言うと、ウォーキングをしないからといって将来歩けなくなることはまずありません。たとえば、全く一歩も動かず1週間ほど寝たきりなら筋力が落ちて歩くのがしばらく困難になるでしょう。
ですが、痛いけれどとりあえず仕事や日常生活では何とか歩いている状態なら大丈夫です。そこを無理して治すためにとか筋力を落とさないためにということでウォーキングをする必要はどこにもありません。むしろ痛みを我慢してまでやるのは単に逆効果。
いろいろ不安になるのは分かります。早く良くなりたいというのももちろん分かります。でも、その目的のために必要なことはウォーキングではありません。どうしてもということなら、ヘルニアの痛みが良くなってから始めてください。
良くなるまでは他にもまだまだできること・必要なことがあるのです。だからやらなくても大丈夫ですよということ。
これが2つ目。
腹筋・背筋
やらなくても大丈夫なこと3つ目は腹筋・背筋などの筋トレです。
昔からよく言いますよね、腰が痛いなら腹筋・背筋でもしたらって。でもこれ、言ってみれば都市伝説のようなものです。良さそうに思えますが意味はありません。むしろやってはいけないことだと思ってください。
なぜか?その理由を説明しますね。
健康な状態の時に筋トレをするのはもちろん良いことです。しかし、痛みが出てから腹筋や背筋、その他の筋トレをしても意味がないです。なぜなら、そんなに簡単に筋力アップや筋肉の量が増えることはないからです。
普段の健康な時からコツコツと継続するからこそ筋トレは意味があるし成果がでます。しかし、痛みが出てから始めてすぐに成果が出るわけではありません。だからやらなくても大丈夫ということ。
それにですね、腰の椎間板ヘルニアと言っても実は筋肉が固まってしまった結果痛みが出ている方もかなりたくさんいます。筋肉が痛みの原因ということは、筋肉がケガをしているような状態と思ってください。そんな時に筋肉に負荷をかける筋トレは体にとって良いことでしょうか?違いますよね。
だからやらなくても大丈夫ということ。これが3つ目です。
朝の痛みに対しての湿布
やらなくても大丈夫なことの4つ目は朝の痛みに対しての湿布です。
腰の椎間板ヘルニアになった方で、朝起きた直後がかなり痛みが強いということはありませんか?毎朝そんな状態がつらいので、寝る前に湿布を貼っている。そういう方もおおいのでは?
ですが、この場合実は湿布は不要なんです。湿布が良い・悪いではありません。そうではなく、朝の痛みに対しては湿布では作用がないのです。どういうことかくわしく説明しますね。
腰の椎間板ヘルニアは神経が圧迫されることで痛みが出るとされています。しかし、すべての方が神経に原因があって痛みが出ているわけではありません。筋肉が固まった結果痛みが出ている方がかなりいるのです。
そして朝の痛みの原因は神経ではなく筋肉が原因。なぜそう言えるのかというと、朝起きた直後は痛みが強くても、時間の経過に伴って痛みが起きた直後に比べると軽くなっているのではありませんか?そんな状態ならこれは間違いなく筋肉が原因。
筋肉が固まって痛みの原因になっている時に必要なことは、固まった筋肉がゆるんで元の状態に戻ること。そんな時に湿布を貼っても意味がないのです。なぜなら、湿布は消炎鎮痛剤といって炎症が原因の痛みに作用がある薬だから。
筋肉をゆるめるために、炎症を鎮める作用がある薬を使う。これって変ですよね。お腹が痛い時に目薬を使うのと理屈は同じ。だから朝の痛みに対して湿布を貼らなくても大丈夫ですよ。むしろ不要ですよということになるのです。
これが4つ目。
筋肉が原因の状態に対しての手術
やらなくても大丈夫なことの最後5つ目は筋肉が原因の状態に対しての手術です。
誤解がないように最初にお伝えしておきますが、手術が必要な方はいます。神経圧迫が原因で、その原因に対していろいろやったけれどももう手術しか方法がない。そんな場合はもちろんのこと、手術をしなければいけない状態の方ももちろんいます。なので、手術が必要な方はいるということはご理解ください。
必要がないのは、腰の椎間板ヘルニアといっても神経ではなく筋肉に原因がある状態の方。先ほども触れましたが、筋肉が原因の場合に必要なことは固まった筋肉がゆるむこと。そんな状態に対して神経圧迫を取り除く手術は不要ということです。
これが最後5つ目。
最後に
腰の椎間板ヘルニアになった時にやらなくても大丈夫なことを紹介しました。どれも必要なことのように思えたかもしれません。ですが、状態によっては必要がない方も多くいるということなのです。
ご自身の状態にあった必要なことに時間やお金を使ってくださいね。そして、痛みやしびれはつらいとは思いますが、あきらめずに何らかの対策を続けてくださいね。