腰の椎間板ヘルニアになり腰からお尻、足にかけて痛みやしびれがある。
こういう時、ほとんどの方は病院へ行くなど何らかの治療を受けていることと思います。治療を受けること自体はもちろん良いことですし必要ですよね。ただそれに加えて自分でも何かできないかと思っていわゆるセルフケアに取り組んでいるという方も多いのではないでしょうか。
早く良くなりたいという気持ちは当然だと思います。セルフケアに取り組もうと思うこと、そして実際に始めることももちろん良いことです。しかし、その中には良いと思っていることでも実は腰の椎間板ヘルニアによる痛みやしびれが悪化してしまう原因になりかねないこともあるのです。
早く良くなりたいという純粋な気持ちから始めたセルフケアが、実は痛みやしびれが悪化する要因になっているともったいないですよね。ただこういうことは事前に知っておけば避けることができる問題ではないでしょうか。
じゃあ何が良くて何がダメなのか?
そこで今回は、腰の椎間板ヘルニアになって痛みやしびれがある時に悪化の要因になってしまうことは何か?について解説をしていますのでぜひご参考ください。
それでは始めますね。
痛みが強い時のストレッチ
腰の椎間板ヘルニアによる痛みやしびれが悪化する要因の1つ目は、痛みが強い時のストレッチです。
腰の椎間板ヘルニアになった時、ストレッチをすること自体は実は良いことです。なぜなら、痛みの原因が筋肉が固まったことの場合が多いから。こういう状態を筋膜性疼痛症候群といって、筋肉が痛みやしびれの原因になっているということ。
こんな場合、必要なことは神経圧迫に対しての治療ではなく固まった筋肉をゆるめること。なので、ストレッチで固まった筋肉を伸ばしてゆるめてあげることは良いことなんですね。
ただ、たとえ筋肉が原因の場合でも痛みが強い時はストレッチは良くないです。なぜなら、その時は良くても後から痛みがひどくなってしまうことが考えられるから。また、そもそも痛みが強い時はちゃんとしたストレッチもできないですよね。なのでやらない方が良いと言えます。
痛みはあるけれど、仕事や日常生活はとりあえず大丈夫という状態にまで落ち着いてきたらストレッチを始めるのは良いです。ですが、まだ痛みが大分強くて動くのもかなり困難。こういう時はストレッチはしないほうが良いですし、してはいけないと思ってもらっても構いません。
これがまず1つ目。
やってはいけない体操・ストレッチ
腰の椎間板ヘルニアによる痛みやしびれが悪化する要因の2つ目は、やってはいけない体操やストレッチです。
やってはいけないことなわけですから、これは続けてしまうと当然痛みやしびれが悪化することが考えられます。
ではどういうことをやってはいけないのかいくつか紹介していきますね。
腰を大きく反らす体操
まず1つ目はこちら。うつ伏せの状態から上半身を大きく起こす体操ですね。これは絶対にやってはいけない。なぜかと言うと、先ほども触れたとおり筋肉が固まってしまった結果痛みが出ている場合が多くあるからです。
腰の椎間板ヘルニアの場合、腰やお尻の筋肉が固まってガチガチになってしまうと痛みやしびれの原因になりやすいです。そんな時に、写真のように大きく腰を反らす動作をすると固まって痛みの原因になっている筋肉を自分でもっと押し固めるような状態になります。
なので、1日に何度もくり返したり、何日も継続をしてしまうとドンドン筋肉を固めていることになると思ってください。そしてどこかのタイミングで痛みがひどくなってしまう。だからやってはいけないということですね。
スクワット
2つ目はスクワットです。健康な時であれば筋トレ自体はとても良いことです。しかし、腰の椎間板ヘルニアになって痛みやしびれがある時にスクワットは厳禁。鍛えないと筋力が落ちて歩けなくなってしまうのでは?と心配する方も多いです。お気持ちはよく分かりますがスクワットは不要です。
理由は先ほどと同じで筋肉に原因があることが多いから。筋肉が原因で痛みやしびれが出ているというのは簡単に言うと筋肉がケガをしているのと同じ状態。そのケガをしている状態でスクワットをするというのは筋肉にとっては負担です。傷口がドンドン広がってしまうということ。
また、そもそもスクワットに限らず筋トレは痛くなってから始めるものではありません。さらに、痛みを治すためのものでもありません。だからやってはいけないということですね。
手足をあげてバランスを取るエクササイズ
最後3つ目はこちらですね。名前が分からないのですが、写真のように左右交互に手足をあげてバランスを取るエクササイズ。これも良くないですね。1回、2回程度なら誰でもできるかと思います。ですが、これをくり返し続けると痛みが悪化することが考えられます。
写真のようなポーズを取るということ自体が筋肉にとっては負担になるんですね。だからやってはいけないということ。こういうことは、痛みやしびれが良くなってから始めるようにしてくださいね。
運動によって治そうとすること
腰の椎間板ヘルニアによる痛みやしびれが悪化する要因の3つ目は、運動によって痛みやしびれを治そうとすることです。
腰が痛い、足がしびれるとなると、筋力が落ちて歩けなくなってしまうのでは?と心配する方は多いです。ヘルニアになってそういった症状が出ている、だから鍛えないと歩けなくなるなんてことはまずありません。
それよりも、痛みを運動によって治そうとすることの方が問題。例えばウォーキングや腹筋・背筋。さらには先ほどもあげたスクワット。こういうことをすれば良いのでは?と考えてしまう方が後を絶ちません。
お気持ちはよく分かりますが、筋肉が原因で痛みが出ている時にその痛みを運動によって治そうとするのは正直言って危険です。頑張って続けるほど筋肉にとっては負担になってしまうのですから。
それに、運動はそもそも何のためにやるものでしょうか?痛みやしびれを治すためのものではありませんよね。そして、痛くなってから始めるものでもありません。普段の健康な時に健康のため、体力向上のため、またはダイエットのためなどが目的のはず。
痛くなってから運動を始める必要はありませんし、それ以外に痛みやしびれの対策としてやると良いことはいろいろあります。ですから、運動によって治そうとしてはいけないということですね。
くしゃみ
腰の椎間板ヘルニアによる痛みやしびれが悪化する要因の最後4つ目はくしゃみです。
これはここまでの3つと比べると仕方がない部分はあります。ですが、気をつけないと本当にかなり悪化してしまうことがあります。勢いよくくしゃみをするとその反動によってズキン!と痛みが響きます。そして一気に悪化。こうなることは珍しくありません。
なので、ちょっと難しいかとは思いますが、くしゃみが出そうになったらどこかにつかまるか、少し身構えると良いです。完全に悪化を予防できるわけではないですが、くしゃみの衝撃をある程度緩和することができます。
おすすめはやっぱりこれ
腰の椎間板ヘルニアのセルフケアとしては、やっぱりストレッチがおすすめです。痛みが強い時はだめですが、ある程度落ち着いてきたら始めてみてください。具体的な方法については動画で紹介していますのでご参考くださいね。
最後に
腰の椎間板ヘルニアによる痛みやしびれが悪化してしまう要因を4つあげました。ほかにもあるのですが、とりあえずこういったことは覚えておいてくださいね。