梨状筋症候群によくある3つの間違い

3 梨状筋症候群

梨状筋症候群になりお尻や足が痛い。

梨状筋症候群とは、お尻にある梨状筋という筋肉によって坐骨神経が圧迫される結果痛みが出る病気とされています。

そんな梨状筋症候群になってしまい痛みがつらいので湿布を貼ったり薬を飲んだりしている。それにもかかわらずお尻が痛いし足も痛い。こういう状況が続くとつらいしちょっと不安にもなってしまいますよね。

お尻や足の痛みは当然つらいと思うのですが、それと同じくらいなぜ湿布や薬を続けていても痛いのかな?って思ったことはないでしょうか?なぜ、そういうことが起きるのかと言うと、実は梨状筋症候群と言っても間違ってしまっていることがいろいろとあるからなのです。

ここが分かれば、何をどうすれば良いかも分かってきますよね。

そこで今回は、梨状筋症候群に関してよくある間違いは何かということと、そんな時のお尻や足の痛みに対しては何をすれば良いのかについて解説をしていきますのでぜひご参考いただければと思います。

それでは始めますね。

間違いその1 神経圧迫は関係ない

お尻の痛み

梨状筋症候群についての間違い1つ目は神経圧迫が原因ではないということです。

梨状筋症候群は梨状筋というお尻の筋肉によって坐骨神経が圧迫される。その結果痛みが出るとされています。実際にそういう方もいるかもしれませんが、ほとんどの方はそれ以外が原因で痛みが出ていると思ってください。

ではその他の原因とは何か?

実はこれは筋肉が神経を圧迫することによる痛みではなく、筋肉そのものの痛みだと思ってください。筋肉は固まってガチガチの状態になると筋肉そのものが痛みの原因になります。筋肉が原因の痛みというと筋肉痛を連想されるかもしれませんがそれとは違うものと思ってください。

そうではなく、筋肉が固まってしまった結果の痛み。こういう状態を専門用語になってしまいますが筋膜性疼痛症候群と言います。すごく簡単に言うと筋肉がケガをしている状態だと思ってください。そしてそのため痛みが出ていると。

痛みの原因が大切な理由

なぜ、ここまで痛みの原因の違いを解説するのかというと、痛みの原因が神経にあるのか筋肉にあるのかでは必要な対策が全くことなるからです。

たとえば、本当に神経が圧迫されていることで痛みが出ているのなら、神経が痛みの根本的な原因ということになります。そのためこの場合は神経に作用する薬が必要。

筋肉が原因で痛みが出ている場合は、固まった筋肉が原因なのでその筋肉がゆるむことが必要。この場合に神経に対して作用がある薬では当然筋肉に作用がありません。つまり、飲んでも痛みが変わらないということになってしまうのです。

もし今神経に作用があるリリカなどの薬を飲んでいてお尻の痛みが変わらないなら、それは神経ではなく筋肉が固まってしまったことで出ている痛みと考えることができます。

つまり神経は関係ないということですね。これが1つ目の間違い。

間違いその2 梨状筋だけが原因ではない

梨状筋症候群

梨状筋症候群についての間違い2つ目は、梨状筋だけが痛みの原因ではないということ。

梨状筋症候群というと名前のとおり梨状筋というお尻の筋肉が悪くなっているんだと思いますよね。これは間違いありません。そして先ほど触れたとおり、梨状筋自体が固まって痛みの原因になっています。ここまでは正しい。

ただ、梨状筋症候群だからといって梨状筋だけが痛みの原因とするのは間違いです。梨状筋だけが原因の場合もあるかもしれませんが極々わずかだと思います。そして実際には梨状筋だけではなくその他のお尻の筋肉も固まってしまって痛みの原因になっていることがかなり多いです。

さらに言うと、梨状筋だけではなく腰や股関節周りの筋肉も固まって痛みの原因になっていることが多いと思ってください。あっちもこっちも筋肉が悪くなってしまっていると思ってもらうといいですね。

ここで問題なのは、梨状筋症候群だからといって梨状筋のみが良くなれば良いと思ってしまうこと。たとえば、梨状筋だけを上手にマッサージしたとしても少しは痛みがよくなると思いますが完全に良くなるわけではありません。なぜなら、まだ他の筋肉が残ったままだから。

梨状筋症候群と言われた方で、お尻の筋肉を一生懸命マッサージしたことがある方はいると思います。ただそれでも痛みが変わらなかったという方も多いと思います。

なぜそうなるのかと言うと理由は先ほど述べたとおり。梨状筋だけが痛みの原因ではなく複数の筋肉が痛みの原因になってしまっているからです。

こう考えると、梨状筋だけが痛みの原因ではないということがご理解いただけたかと思います。

間違いその3 運動すれば良くなる

ウォーキング

梨状筋症候群についての間違い3つ目は、運動すれば良くなるということ。

これについてはいろいろ理由があります。運動すれば良くなるのでは?と考えるのもよく分かりますが、そもそも運動って痛みを治すためにするものではありません。運動というつもりではなく動かしているだけだと思う方もいるかもしれません。たとえそうだとしても同じです。

運動や・体を動かすということをして痛みを治そうとするのは良くありません。

なぜここまで言うのかというと、これも痛みの原因と直接関係があります。梨状筋症候群は先ほどから触れてきているとおり、梨状筋を含む複数の筋肉が固まってしまった結果痛みが出ている状態。分かりやすく言うと複数の筋肉がケガをしているのです。

その状態で運動をすればケガをしている筋肉にとっては負担です。なので、たとえばウォーキング程度ならできるという方もいるでしょう。だからと言って続けて毎日歩いていると痛みがひどくなったり、ひどくならないまでも長引く要因にウォーキングがなってしまうことが十分考えられるのです。

だから運動で治そうとしてはいけないということ。

運動は健康な時にするもの

運動の目的って何でしょうか?

体力をつけるとか、筋力アップ、筋肉の量を増やすなどですよね。なので、健康な時に運動をすることはとても良いことだと思います。

しかし、痛みやしびれが出てから運動を始めたからと言ってすぐに体力や筋力が向上したり、筋肉の量が増えるわけではありませんよね。ですから、痛みが出てから始めてもそもそも意味がないということにもなるのです。

梨状筋症候群は運動不足が原因ではない

梨状筋症候群で運動をしようと思う方は、どちらかと言うと運動不足という認識がご自身にある方が多いように思います。

運動不足を感じていたら、痛みが出たのはそのせいだから運動を始めようと思ってしまうのは当然かもしれません。ですが、そもそも梨状筋症候群は運動不足だからなるのではありません。そうではなく筋肉の手入れ不足でなるのです。

先ほどから筋肉が固まった結果痛みが出るということをお伝えしてきましたね。筋肉が固まってしまうのは、理由はいろいろありますがそのうちの1つに手入れ不足ということがあります。要するに疲れが抜けきっていないからということ。

疲れが抜けきらず固まってガチガチになり痛みの原因になってしまっている筋肉。これを運動や動かすことで治そうというのは良くないですよね。なので運動よりもまずは手入れから始めましょう。

お尻や腰などのストレッチがおすすめ

梨状筋症候群で痛む時は、運動や動かすことよりもストレッチがおすすめです。

筋肉が固まった結果痛みが出ているので、その筋肉を伸ばしてあげれば良いということですね。具体的な方法についてはこちらの動画で紹介していますのでぜひご参考ください。

最後に

梨状筋症候群についてよくある間違いを紹介しました。少し専門的なこともあったので難しかったかもしれません。ただ、梨状筋だけではなく複数の筋肉が固まったことが原因なんだということは覚えておいてもらえればと思います。

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