股関節の痛みがあり、歩くと痛いし座っていても痛くなるので困っている。
こういう時、ほとんどの方がその痛みに対して何らかの治療を病院で受けていることと思います。たとえば、湿布を貼ったり、薬を飲む、リハビリに通うなどですね。
ただ、そんな風に治療はちゃんと続けているのに痛みがあまり良くならない。こういう方も多いと思います。治療を受けていても痛みが変わらないと、何でかな?どうしたらいいのかな?って当然誰でも考えてしまうことでしょう。
そして、治療はこのまま受け続けよう。でも痛みが変わらないから自分でも何かできることを少しでもやってみよう。こう考える方もいるでしょう。こんな風にご自身でいわゆるセルフケアに取り組むことはとっても良いことです。
ただ、セルフケアだからといって何をやっても良いわけではありません。股関節の痛みに対して良いと思って取り組んでいることが、実は痛みが悪化する要因になっている場合は意外と多くあります。もちろん、ご本人は良いと思って取り組んでいるわけですから仕方がない面もあります。
ですが、やっぱり良いと思っていることが悪化の要因になっているともったいないです。そして何よりも悪化するとつらいのはご本人。
こういう問題は、何をすると悪化してしまうのかが事前に分かっていれば避けることができる問題です。そこで今回は、股関節の痛みがある時に悪化の要因になってしまうのでやってはいけないことを紹介します。セルフケアにこれから取り組もうと思っている方も、すでに始めてしまっている方もぜひご参考いただければと思います。
それでは始めますね。
ウォーキングで治そうとすること
股関節が痛む時に、その痛みをウォーキングで治そうとしてはいけません。
なぜなら、股関節の痛みの原因が筋肉の場合が多くあるからです。筋肉は固まってガチガチの状態になると筋肉そのものが痛みの原因になると思ってください。股関節が痛む場合であれば、基本的に股関節周りの股関節を動かす筋肉が固まると痛みの原因になります。
もう少し具体的に言うと、そけい部、お尻の外側(股関節の外側)、お尻などの筋肉が固まってしまうと痛みの原因になります。お尻やお尻の外側をこぶしでトントン叩きたくなることが多いという方は筋肉が固まった結果痛みが出ていると思ってください。
このように筋肉に原因がある状態の時に、その痛みをウォーキングで治そうとしてはいけません。筋肉に原因があって痛みが出ているということは、簡単に言うと筋肉がケガをしている状態です。そのケガをしている状態の筋肉で歩くわけですから痛みがひどくなってもおかしくないということ。また、ひどくならないまでも痛みが長引くきっかけになりかねないのです。
そもそもの話として
他にもウォーキングで治そうとしてはいけない理由があります。
そもそもの話になりますが、ウォーキングって痛みを治すためにするものなのでしょうか?違いますよね。体力をつけるとか、ダイエット、有酸素運動の一環としてなどが目的ですよね。運動療法は確かにありますが、あれは痛みを治すためではなく動かすための練習です。ですから痛みを取る目的ではありません。
痛くなってからウォーキングを始める意味
さらに、股関節が痛くなってからウォーキングを始めることには意味がありません。
普段からウォーキングをして体力を付ける、筋力の衰えを予防するということなら意味があるしよいことだと思います。しかし、痛くなってから運動を始めるというのは、極端な表現になりますが、骨折をしてからその痛みを治すためにウォーキングをするということと同じ。
なので、言い方はちょっと悪いですがほとんど意味がないのです。そして悪化や長期化の要因になりかねません。
だからやってはいけないということですね。
スクワットで治そうとすること
股関節の痛みがある時に、スクワットで痛みを治そうとすることもダメです。
理由は先ほどと同じ。股関節の痛みの原因が筋肉が固まったことの場合があるからです。痛みがある部分はそこが筋力が少なく弱いからだ。だから鍛えれば良いのでは?こう考えてしまうのはよく分かります。
ですが、筋力ってそんなに簡単にアップしません。なので、これもウォーキングと同じで普段から取り組んでいるのであれば良いことです。そして普段から筋力アップのためにするのももちろんOK。しかし、痛みが出てから始めても遅いですし、痛みが出てから始めてもすぐに筋力がアップするわけではありません。
自重でのスクワットといっても、何度もくり返し、何日も継続しているとやはりそれは筋肉にとっては負担でしかありません。そしてスクワットが終わった後に筋肉の手入れをする人もほとんど以内と思います。これでは筋肉がさらに固まって痛みの原因になるだけです。
食べたら歯を磨かなければ虫歯になりますよね。それと同じで、筋トレをした後に筋肉の手入れをすぃないと筋肉に疲労が残ったままになります。特に年齢を重ねるとなかなかその疲労が抜けません。そして痛みの原因になるのです。
だから、そもそもスクワットで治そうとしてはいけませんということですね。
足を横にあげるエクササイズ
股関節が痛む時に、写真のような足を横にあげるエクササイズも良くないですね。続けていると痛みが悪化したり長期化する要因になると思ってください。
これは簡単な運動に思えますが、実は股関節周りの股関節を動かすことになるエクササイズ。なので、やり続けると悪化したり長期化の要因になります。
数回程度ならもちろんできると思いますし、それほど問題になることもないでしょう。しかし、こういうエクササイズって、何回何セットのような形で行いますよね。しかも、毎日じゃないにしても1日おきとか、2日おきのように定期的に行いますよね。
これは、ケガをして痛みの原因になっている筋肉を定期的に軽い運動で痛めつけているということになっています。なので、簡単で負担も少なそうに見える運動でも、やっぱりやり続けることによって痛みにとってはマイナスの影響を与えることになります。
だからやってはいけない。取り組むのであれば痛みがよくなってからが良いですね。
ストレッチのやり過ぎ
股関節が痛む時、ストレッチもやり過ぎは悪化や長期化の要因になるので要注意です。
ストレッチ自体はもちろん良いことですよ。筋肉が固まった結果痛みが出ているのであれば、その固まった筋肉をストレッチで伸ばしてゆるめてあげれば良いのですから。
しかし、いくら良いことだからと言ってやはりやり過ぎはダメですね。適度な加減で伸ばして、適度な時間で終わる。これなら良いですが、力任せに伸ばしたり、反動をつけてグイグイと伸ばすようなストレッチは絶対にダメ。また、長時間取り組むこともダメ。ちょっと物足りないくらいでちょうど良いです。
たくさんやれば良いような気がしますよね。ですが、いくら体に良いものでも食べ過ぎは良くないのと同じです。ストレッチと言えども腹八分がちょうどいいですね。
やっても良いことは?
股関節が痛む時、筋肉が原因なら適度なストレッチなら取り組んでもらっても構いません。やり過ぎがダメなのであって、適度に行うならむしろおすすめ。具体的なストレッチ方法についてはこちらの動画でいろいろなやり方を紹介していますのでご参考くださいね。
初めてストレッチをする方はこちらの動画をご参考ください
ストレッチになれている方はこちらの動画をどうぞ
最後に
股関節が痛む時に、悪化や長期化の要因になることを紹介しました。どれもなんとなく良さそうですよね。ですが、そもそも痛みがある時にすることではないんだと思ってください。そして、いわゆるセルフケアなら最後に紹介したストレッチに適度に取り組むことから始めてみてくださいね。