腰椎分離すべり症になり腰やお尻、そして足に痛みがある。
仕事や日常生活で歩くと特に足が痛くなる。だから病院でもらった湿布を貼ったり、痛み止めの薬も飲んでいる。リハビリにだってちゃんと定期的に通ってやってもらっている。それにも関わらず痛い。
こういう状況が何日も続くと、何でかな?どうしたら良いのかな?ってなりますよね。そして、日に日に早く良くなりたいという気持ちが出てくるのではないでしょうか。
そんな気持ちから、治療はこのまま続けよう、でも自分でも何かできることをやってみようと思う方も多いでしょう。そこで、ウォーキングでも始めてみようかなと思う方は多いです。
ウォーキングならハードなスポーツというわけでもないし、痛みはあるけれど何とか歩けるし。これを続けていれば筋力が落ちる心配もしなくていい。さらに続けて痛みが良くなればもっといい!とこんな風に良いことずくめに思いますよね。
ただこれって本当に正解でしょうか?
そう言われるとちょっと不安だし、正解かどうかなんて分からないという方がほとんどだと思います。そこで今回は、腰椎分離すべり症になって痛みがある時にウォーキングは必要なのかどうかについて解説をしていきます。今すでに始めている方も、これから始めようか迷っている方もぜひご参考いただければと思います。
それでは始めますね。
ウォーキングは必要か?
腰椎分離すべり症になった時にウォーキングは必要か?結論からお伝えすると、必要ありませんしむしろ痛みを直す目的のウォーキングはやってはいけないと思ってください。
えっ!本当に?って思った方も多いかもしれませんね。理由を詳しく解説していきます。
ウォーキングで痛みが悪化する可能性
腰椎分離すべり症になった時にウォーキングが不要な理由は、痛みが悪化する可能性があるからということになります。なぜかと言うと、これは痛みの原因と直接関係があります。
腰椎分離すべり症は、背骨の一部が分離してその結果背骨がずれる。そのため神経が圧迫されて痛みが出るとされています。実際に神経が原因の方はもちろんいます。ですが、すべての方で花井と言うことも事実。
腰椎分離すべり症と言っても、実は痛みの原因が筋肉にある方がいるのです。筋肉に原因があって痛みが出ている場合にウォーキングを続けてしまうと痛みが悪化することが考えられるのです。
筋肉が原因の痛みとは?
筋肉というのは固まってガチガチの状態になると筋肉そのものがかなり強い痛みの原因になります。こういう状態のことを専門用語で筋膜性疼痛症候群といいます。ちゃんと名前が付いているんですね。
簡単に言うと筋肉がケガをしているような状態と思ってください。
腰椎分離すべり症の場合は、もちろん個人差はありますが主に腰、お尻、足などの筋肉が固まってしまうと痛みの原因になります。そのように、腰やお尻、足の筋肉がケガをしているような状態なのにウォーキングで筋肉を使う。これはケガがひどくなることが考えられるということですね。
だからウォーキングは不要だし、むしろやってはいけないことなんだということになります。
こんな場合は筋肉が原因
筋肉が原因で痛みが出る場合には特徴があります。いくつか紹介しますので、今のご自身のお体の状態と比べていくつ該当するかを数えてチェックしてみてくださいね。
- 朝起きた直後は痛いが時間の経過に伴って治まる
- 歩き始めは大丈夫だが歩く距離が長くなると痛みが増す
- 長時間立ったままでいると痛くなる
- 長時間座ったままでいると痛くなる
- 前かがみで腰やお尻が痛む
- 腰を反らすと腰からお尻、足にかけて痛みがはしる
- お風呂上がりは少し楽
他にも考えられる状況はありますが、これらのうちどれか1つ以上に該当するようなら今のあなたの痛みの原因は筋肉にあると考えることができます。
湿布や薬は続けているけれど痛いのはなぜ?
ウォーキングをしてはいけない理由はご理解いただけたでしょうか。ここからは、湿布や薬を続けていても痛む理由について解説をしていきます。
湿布や薬には筋肉への作用がない
腰椎分離すべり症で痛む時に、病院で湿布や痛み止めの薬をもらったので続けているという方は多いでしょう。でも痛みが変わらないという方も同じく多いのではないでしょうか。
なぜそうなるかと言うと、湿布や痛み止めの薬には筋肉への作用がないからということになります。
筋肉が原因で痛みが出ている時は、筋肉が固まってしまった結果痛みが出ているということをおつたえしましたね。こういう時、必要なことはその固まって痛みの原因になっている筋肉がゆるんで元の健康な状態に戻ること。
そんな時に、湿布や痛み止めの薬を続けても残念ながら筋肉はゆるみません。なぜかと言うと、これは湿布と薬の作用を見ていくと分かります。
湿布と薬の作用
湿布にはどういう作用があるのかと言うと、これは消炎鎮痛剤といって炎症が原因で痛みが出ている場合に作用がある貼るタイプのお薬です。
痛み止めはどうかと言うと、いろいろ種類はあるのですが腰椎分離すべり症に対して処方されることが多いのは神経に対しての薬でしょう。
神経が原因で出ている痛みのことを神経障害性疼痛と言います。こういう状態に対しては、神経に作用する痛み止めの薬が処方されることが多いです。具体的に言うとリリカは神経障害性疼痛に対しての痛み止めの薬ですね。
湿布も痛み止めの薬も必要な場合はあります。ですがそれは、炎症や神経が原因の場合であって筋肉が原因の場合ではありません。なぜなら、先ほどお伝えしたようにどちらにも筋肉をゆるめる作用がそもそもないからです。
だから、湿布や薬を続けても痛みが変わらないということが起きるんですね。
このことを逆に考えると、腰椎分離すべり症と言われた場合に湿布や薬を続けても痛みが変わらないならそれは神経圧迫ではなく筋肉に原因がある状態と言えますよね。
ウォーキングではなく筋肉への対策を
腰椎分離すべり症で筋肉が原因なら、ウォーキングをしてはいけない、湿布や薬では作用がないということはお分かりいただけたかと思います。
じゃあ何すれば良いのか?ってなりますよね。
ここからは、筋肉が原因で痛みが出ている場合に対策として取り組むと良いことをいくつか紹介していきます。
筋肉を温める
筋肉が原因の場合はお風呂で筋肉を温めてあげることは対策になります。
実際に、お風呂上がりは少し痛みが楽に感じるという方もいるのではないでしょうか。そういう方はお風呂で温まるようにしてくださいね。お風呂に入っても正直なところ変わらないんだけどという方もいるでしょう。そういう方でも、筋肉が原因の状態に該当するようなら温めるようにしてください。
熱いお湯につかったり、長湯する必要はありません。普段どおりで大丈夫ですからね。
マッサージ
筋肉が原因ならマッサージももちろん良いですね。
ただ、自分の指でマッサージをするとなるとやりにくいし指も痛くなりますよね。なのでこういう時はテニスボールなどの道具を使うと便利です。
お尻が特に痛いという方は多いと思います。そんな時は、仰向けに寝てお尻の下にテニスボールをはさみ体重を乗せる。こうすることでマッサージをすることができますので試してみてくださいね。
ストレッチ
筋肉が原因で痛む時はストレッチももちろん良いですね。具体的な方法については動画で解説をしていますのでご参考くださいね。
初めてストレッチをする方はこちらをどうぞ
ストレッチに慣れている方はこちらをどうぞ
最後に
腰椎分離すべり症になった時にウォーキングは必要かどうかについて解説をしてきました。
ウォーキングって良さそうに思いますよね。ですが、今回解説したとおり筋肉が原因の場合は逆に負担になってしまいます。なので筋肉が原因の状態に該当するなら最後に紹介したマッサージやストレッチに少しずつで良いですから取り組むようにしてみてくださいね。