腰椎分離すべり症の痛みが悪化してしまう原因4選

腰の椎間板ヘルニア 腰椎分離すべり症

あることをすると腰椎分離すべり症に伴う痛みが悪化する場合があります。

腰椎分離すべり症というのは、背骨の一部が分離した結果背骨もずれて神経を圧迫するため痛みが出る状態のことをいいます。

そんな痛みがある時、当然誰でも痛みに対して何らかの対策を取りますよね。ですが、その対策の中には良いと思って取り組んでいても、実は悪化の要因になってしまっていることがあるのです。

良くなるために取り組んでいることが悪化の要因になっているともったいないですよね。

ただこういうことは、事前にしっておけば避けることができる問題かと思います。じゃあ何をすると悪化してしまうのかということが気になりますよね。

そこで今回は、何をすると腰椎分離すべり症の痛みが悪化してしまうのかについて解説をしたいと思います。

それではさっそく始めましょう。

1 やってはいけない動作や体操

何をすると腰椎分離すべり症の痛みが悪化するのかについてですが、細かいことまで挙げ出すとたくさんになってしまいます。

そこで今回は、比較的多くの方がやってしまいがちなことを4つ取り上げて順番に解説をしていきたいと思います。

まず1つ目は、やってはいけない動作や体操をすると悪化してしまうということですね。

やってはいけないことをするわけですから、痛みがひどくなってもまあ当然と言えば当然。ただ問題なのは、やってはいけないことかどうかが多くの人にとっては分からないということ。

では何をやってはいけないのかというと、これもいろいろあるのですが代表的なのはこちらです。

やってはいけない腰を反らす体操・動作

うつ伏せの状態から体を起こす体操と言いますか動作ですね。これはイケナイ。

何となく良さそうに思えますよね、こういう体操のようなことって。1回、2回やる程度ですぐに痛みが強くなるわけではありません。

ですが、この動作を続けてしまうと痛みが悪化することが考えられます。

なぜ、腰を大きく反らす動作がいけないのか?

先ほどの体操と言いますか動作をやるとなぜ痛みが悪化するのか?これは、腰椎分離すべり症の痛みの原因と直接関係があるからです。

腰椎分離すべり症というと、冒頭でも触れたように神経が圧迫された結果痛みが出るとされています。

実際にですね神経に原因がある方は確かにいらっしゃいます。ですが、すべての方が神経に原因ということではありません。

筋肉が固まったことで痛みが出ている方がかなりたくさんいらっしゃるということなのです。

筋肉は固まってしまうとかなり強い痛みの原因に筋肉そのものがなります。そんな状態のことを専門用語で筋膜性疼痛症候群といいます。

腰椎分離すべり症の場合は、主に腰、お尻、足の筋肉が固まってしまうことで痛みが出ることが多いと思ってください。

腰やお尻の筋肉が固まった状態で先ほどのように腰を大きく反らす。これは、固まって痛みの原因になっている腰とお尻の筋肉をさらに縮めて固める動作になってしまっているのです。

だから、続けると痛みがいつかどこかのタイミングでひどくなってしまうということ。

こう考えると、腰を反らして状態を起こす体操というか動作が良くないことがお分かりいただけたかと思います。

ちなみに、うつ伏せの状態からだけではなく、立ったまま腰を何度もくり返して反らすのもNG行為だと思ってくださいね。

これがまず1つめです。

鍛えて痛みを治そうとする

スクワット(筋トレ)

続いて2つ目。

2つ目は鍛えて痛みを治そうとすると悪化する場合がありますよということ。

これもですね、結構多くある話なんですよね。痛みがある時に、筋トレでもしたほうがいいかな?と思ってジムに行ってみたり、ジムに行かないまでも自宅で軽いスクワットのような運動をくり返して行ってしまう。

そしてしばらく続けた結果痛みが悪化。

筋トレもですね、何となく良さそうに思いますよね。分かりますよ、ホントにそのお気持ちはよく分かります。

ですが、やはり痛みがある時の筋トレは良くありません。

理由は先ほどと同じ。つまり筋肉が原因で痛みが出ている時に、その痛みの原因になっている筋肉にさらに負荷をかけるようなことをすると当然痛みが悪化します。

誤解のないようにお伝えしますが、筋トレ自体は良いことですよ。ただ、健康な時なら良いですが痛みを治すためにやるものではありません。

そもそも、鍛えるということと治すということは全く別のものなのです。何となく似ているように感じるだけで、実際には犬と猫くらい別のものです(たとえが微妙かな?)。

なので、鍛えて治そうとしてはいけないし、そうしなくても大丈夫なので止めましょう。

そして健康になったら始めるようにしてくださいね。これが2つ目の要因です。

ウォーキングで治そうとする

ウォーキング

では3つ目にいきましょう。

3つ目は先ほどと似ていますが、ウォーキングで痛みを治そうとすると悪化するということ。

理由は2つ目と同じですね。

筋肉が原因で痛みが出ている時に、たとえウォーキングのような軽い運動でも続けているとやっぱりいつかどこかのタイミングで痛みが悪化します。

ウォーキングも良さそうに思えますよね。そして、少々痛くても歩かないと筋力が落ちたらどうしよう?とか将来歩けなくなったらどうしよう?と不安になってしまう。

そのお気持ちもよく分かりますよ。

でもやっぱりやってはいけないし、やらなくても大丈夫なのです。だからもし今ウォーキングで治そうと思っているなら止めましょうね。

じゃあ安静にしなきゃいけないの?

ウォーキングでも悪化するという話をすると、じゃあ痛みが良くなるまでは安静にしないといけないの?って思うかもしれません。

これは違います。

仕事とか日常生活で必要な範囲で歩くことは構わないし、ある意味仕方がない部分も当然多くあります。

ですが、それ以外の必要がない範囲で歩くのが良くないということ。

いつもよりちょっと早起きして家の周りを30分ほど歩くとか、仕事から帰ってきてから家から後縁まで行って帰ってくるということがイケナイ。

要するに、治すためにわざわざ時間を作ってまで歩くことはしてはいけませんということですね。

そこまでしなくても、必要な範囲で歩いているだけで十分。

なので、ウォーキングも筋トレと同じく健康になったら始めてください。それまでは時間を作って歩く必要もないですし歩かなくても大丈夫ですよ。

これが3つ目ですね。

ストレッチやマッサージのやり過ぎ

ストレッチ

では最後4つ目です。

4つ目は、ストレッチやマッサージもやり過ぎると悪化するので気を付けましょうねということ。

先ほどから固まった筋肉が原因で痛みが出ることがあるとお伝えしてきていますね。だったら、ストレッチやマッサージなら良いのでは?と思いますよね。

そのとおりです。ストレッチやマッサージをすること自体はとても良いことです。

ですが、問題はやり過ぎるとイケナイということ。

筋肉が原因で痛みが出ている場合は、簡単に言うと筋肉がケガをしている状態と先ほどふれましたよね。

こういう時に、ストレッチやマッサージと行ってもやり過ぎてしまうと筋肉にとっては刺激が強すぎるということなのです。

お腹の調子が悪い時に、おかゆは胃にとっては良いでしょう。ですが、いくらおかゆと言っても食べ過ぎるとそれはやっぱり胃にとっては良くありませんよね。

理屈はこれと同じ。

ただですね、これもイメージですがグリグリマッサージを強くやったり、グイグイ力任せに反動をつけてストレッチをすると効いているので良さそうに思いますよね。

ですが、先ほど触れたとおり刺激が強すぎるのです。

そもそもですが、痛みがある時のストレッチやマッサージは気持ち良く感じる程度で十分。さらに取り組む時間もちょっと物足りないかなというくらいでちょうど良いです。

それくらいの刺激と時間のストレッチとマッサージをできるだけ無理のない範囲で続ける。それがいわゆるセルフケアとしては適切ということ。

たくさんやれば早く良くなるということでもないですし、刺激を強くすれば早く良くなるということでもありません。

適度に行うこと。これが遠回りに思えて実は一番の近道。

ストレッチやマッサージは良いことです。ですが、絶対にやり過ぎないように気をつけてくださいね。

補足:ストレッチのやり方

腰椎分離すべり症になって痛みがある時のストレッチの方法を動画で紹介しています。ご興味がある方はご参考くださいね。

腰椎分離すべり症による痛みの原因と簡単なストレッチ方法
■目次00:00 はじめに01:20 今回の内容について01:41 痛みの原因は何か?03:26 湿布を貼っても変わらない理由04:42 セルフケア方法について06:15 ストレッチ方法13:08 最後に■動画内で紹介している動画「腰椎分離すべり症で気をつけて欲しいこととストレッチ方法」

最後に

今回は腰椎分離すべり症が悪化する原因について解説をしてきました。

腰椎分離すべり症というと、どうしても神経が原因とだけ思ってしまいがち。ですが、ココまでに解説してきたように筋肉が原因の場合も多くあるのです。

そんな時は、筋肉に過剰な負荷をかけないようにすることも対策としては大事なこと。

適切な対策を適切な量で取り組むようにしてくださいね。

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