腰椎分離すべり症になりお尻が特に痛い。
腰椎分離すべり症とは、背骨の一部が欠けて分離しさらに背骨がすべってずれた結果神経が圧迫され痛みが出る状態のことを言います。
腰やお尻、足に痛みが出ることが多いのですが、人によってはお尻が特にいつも痛くなるということも多くあります。
そんなお尻の痛みがつらいし困るので、湿布を貼ったり痛み止めの薬を飲んでいる方は多いと思います。ただ、湿布や薬を毎日ちゃんと続けていても痛みが変わらないという方も同じく多いですよね。
そして痛みが続くとなぜ続くのか、どうしたらいいのかということが気になるし心配になると思います。
ですが、実はこういう時はなぜ痛みが続くのか、そしてどうすれば良いのかというものがちゃんとあります。
ではそれは何かとなりますよね?
なので今回は、腰椎分離すべり症で湿布や薬を続けても痛みが変わらない時の理由や、そんな時はどうすれば良いのかについて解説をしますのでご参考ください。
それでは始めますね。
お尻が特に痛む場合の原因は何か?
腰椎分離すべり症でお尻が痛む時、その痛みの原因として考えられるものは主に2つ。
- 神経が圧迫されていることによる痛み
- 筋肉が固まっていることによる痛み
1つ目の神経が圧迫されていることによる痛みはイメージしやすいかと思います。そして実際に神経が原因でお尻に痛みが出ている方はいます。
知らない方も多いと思うのは2つ目。
腰椎分離すべり症でお尻が痛むからといって、すべての方が神経に原因があるのかというと実は違います。
筋肉が固まってしまったことで痛みが出ている方もかなり多数いるのが実際。筋肉に原因があって痛みが出ている状態のことを専門用語になりますが筋膜性疼痛症候群と言います。要するにちゃんと名前が付いているということですね。
お尻が痛む時の原因はお尻の筋肉だけではない
先ほど、お尻の痛みの原因として筋肉が固まっている場合があることをお伝えしました。
ここでさらに大事なことがあります。それは何かと言うと、筋肉が原因の場合でもお尻の筋肉だけが悪いわけではありません。お尻はもちろんのこと、腰、股関節周囲といったお尻からは離れた部分の筋肉が固まっていることが原因でお尻に痛みが出ることもあるのです。
写真をご覧ください。
女性がうつ伏せで寝ている写真です。腰とお尻にバツ印を付けているのがお分かりいただけるかと思います。
もう1枚ご覧ください。
先ほどと同じ女性ですが今度は仰向けで寝ている状態。そして股関節周囲にバツ印を付けているのがお分かりいただけるかと思います。
これら2枚の写真につけたバツ印の辺りの筋肉が固まってしまうことでお尻に痛みが出ることが多くあります。
お尻が痛む方でも、腰や股関節周りが痛むことはありませんか?そんな場合は間違いなく腰と股関節周りの筋肉も固まってしまっているとお考えください。
こんな風に見ていくと、腰椎分離すべり症といっても筋肉が原因で痛みが出ることがあるということが何となくはご理解いただけたのではないでしょうか。
湿布・薬を続けても痛む理由
続いて湿布や薬を続けてもお尻の痛みが変わらない理由について解説を続けますね。
腰椎分離すべり症でお尻が特に痛む方で、お尻に湿布を貼ったり病院の先生が出してくださった痛み止めの薬を毎日続けて飲んでいるという方は多いでしょう。
ですが、毎日ちゃんと続けているにもかかわらず痛みが変わらないという方も同じく多いのではないでしょうか。
なぜ毎日ちゃんと続けているのに痛いままなのか?
理由は単純です。先ほどお伝えしたように、腰椎分離すべり症になってお尻が痛む場合でも複数の筋肉が固まってしまった結果痛みが出ている場合があります。
筋肉が固まって締まった結果痛みが出ている時に必要なことは何かというと、筋肉が固まった結果痛みが出ているわけですからその筋肉がゆるむことが必要。
ですが、残念ながら湿布にも薬にも固まった筋肉をゆるめる作用がそもそもありません。
湿布や薬が良い・悪いということではないので誤解しないでくださいね。では、湿布や薬にはどういう作用があるのかを見てみましょう。
湿布は消炎鎮痛剤といって炎症が原因で痛みが出ている場合に作用があります。薬についてはいろいろな種類があるのですが、腰椎分離すべり症による痛みに対しては神経障害性疼痛といって神経が原因の痛みに対して作用がある痛み止めの薬が処方されることが多いです。
具体的にはリリカというお薬が多い印象です(個人差はあります)。実際に今リリカを飲んでいるという方も多いと思います。これは、お医者さんが神経に原因があると診断をされたので処方されているということですね。
湿布も薬もそれぞれちゃんと作用はあります。ですが、筋肉が原因の痛みに対しては作用がないということ。
こう考えると、なぜ毎日ちゃんと湿布や薬を続けても痛みが変わらないことが起きてしまうのかという理由がご理解いただけたのではないでしょうか。
こんな場合は筋肉が原因でお尻に痛みが出ている
お尻の痛みの原因が神経の場合と筋肉の場合があることは分かった。
でも、実際に自分の場合はどっちが原因でお尻が痛いのかということがやっぱりよく分からない。そんな方も多いと思います。
こんな状態なら腰椎分離すべり症といっても筋肉が原因で痛みが出ていると考えられる例を挙げていきます。今のご自身の状態と比べていくつ該当するかチェックしてみてください。
- 朝起きた直後が痛い
- 歩くとだんだん痛くなり休むと少し治まりまた歩けるようになる
- 立っている時間が長くなると痛くなる
- 座っている時間が長くなると痛くなり立ち上がりたくなる
- 洗顔時に前かがみになるとお尻が痛い
- 車や自転車の乗り降りの際にお尻が痛む
- お風呂上がりは少し楽(すべての方ではない)
これらは一部ですが、1つ以上に該当するような状態なら腰椎分離すべり症といっても実は筋肉が固まったことでお尻に痛みが出ていると考えられます。
筋肉が原因の時にやってはいけないこと
さて、筋肉が原因の痛みについては大分ご理解いただけたかと思いますがいかがでしょうか。
ここからは、さらに理解を深めていただくために筋肉が原因の時にやってはいけないことを紹介します。
良いと思ってやっていることが、実はマイナスの結果につながることになっている場合がありますのでご参考ください。
ウォーキング
腰椎分離すべり症によるお尻の痛みがある時にウォーキングでもすれば良いかな?と考えてしまう方は本当に多いです。
ですが、痛みを運動で治そうとするのは良くないことだと思ってください。
なぜなら、筋肉が原因で痛みが出ているということは簡単に言うと筋肉がケガをしている状態。その状態で歩くわけですからウォーキングを続けるといつか悪化することが考えられます。
日常生活や仕事で歩くのはもちろん構いませんし仕方が内部分もあります。ですが、痛みを治すために歩くのは違うということだとお考えくださいね。
筋トレ
筋トレも良さそうに思えますよね。
ですが、筋肉に原因があって痛みが出ている時は良くありません。健康な時なら筋肉を鍛えることは良いことです。しかし、痛みがある時はケガをしている筋肉にとっては負担が大きすぎます。
特にお尻が痛い場合はスクワットでもしたほうが良いかなと思ってしまいがち。お気持ちはよく分かります。でも、理由は先ほどと同じで悪化することが考えられるので良くなるまでは止めておきましょう。
じゃあやっても良いことは何?
筋肉が原因ならあれもダメこれもダメ。じゃあいったい何ならやっても良いのか?こう思うかもしれませんので筋肉が原因の場合のセルフケア方法を紹介します。
最も手軽で取り組みやすいのはストレッチです。
お尻が痛む時でもお尻だけではなく、腰や股関節周りの筋肉を伸ばしてゆるめてあげるのが良いですね。
ただし、筋肉が原因ということは筋肉がケガをしているじょうたいであることに変わりはありません。なので、絶対に力まかせに伸ばしたりグイグイ反動を付けて伸ばすようなやり方はしないでください。長時間のストレッチも同じです。
やり過ぎると後から痛みが強くなることがありますのでこの点は本当に気をつけてくださいね。
ストレッチについては分かったけれど、具体的にどうやるの?と思う方も多いと思います。腰椎分離すべり症になった時のストレッチ方法についてはこちらの動画でいろいろなやり方を紹介していますのでご参考ください。
最後に
腰椎分離すべり症でお尻が特に痛む場合の原因や対策につい解説をしてきました。
筋肉が原因というのは意外に思った方も多いかもしれません。ですが、神経に原因がある方がいるのと同じで筋肉に原因がある方が存在することもまた事実。
筋肉が原因なら薬が良い・悪いではなく筋肉に対しての対策が必要。そうすることで状況も変わってくるかと思います。
腰椎分離すべり症でお尻が痛いとつらいと思いますがあきらめずにまずはセルフケアからでも良いので取り組んでみてくださいね。