湿布を貼っても痛み止めの薬を飲んでも腰痛が変わらず困っている。
腰痛になると、朝痛い、歩くと痛い、座っていても痛い。こんな状況になるかと思います。そしてそれを何とかしたいと思って湿布を貼ったり痛み止めの薬を飲んでいるにもかかわらず痛いとなるとつらいですよね。
ただ、痛みはもちろんつらいし困ると思いますが、そもそもなぜ湿布を貼っても痛み止めの薬をちゃんと飲んでも腰の痛みが変わらないのでしょうか。気になりませんか?
実はこれにはちゃんと理由があります。
理由と言っても、湿布は気休めとか薬が効合っていないといったことではありません。湿布も薬もちゃんと作用がありますから良い・悪いなんてことではないのです。実際に腰痛で湿布や薬が必要な場合はありますからね。
そうではなく、もっとちゃんとした理由があるということ。そして理由があるということは、湿布や薬でダメな場合の別の対処法もあるということになります。
ではその理由は何か。そしてそんな時は対処法として何をすれば良いのか。こういったことについてしっかりと分かりやすく解説をしていきますので腰痛が続いている方はご参考くださいね。
それでは始めます。
湿布・薬でも痛む理由
では早速、湿布や薬を続けても腰痛が治まらない時の理由について解説をしていきます。
湿布や薬を続けても腰痛が変わらない理由は、腰痛の原因が筋肉が固まってしまったことにある状態だからです。
どういうことかもう少しくわしく解説しますね。
筋肉は疲労が抜けない状態が続くと筋肉の中にコリができると思ってください。コリと言うのは、いわゆる肩こりのコリのことです。触るとグリグリしてちょっといたく感じるような状態と言えば分かりやすいでしょうか。
そんなコリができた状態をそのままにしてさらに疲労がたまると筋肉はドンドン固まっていきます。その結果、筋肉全体がガチガチになってしまうと筋肉そのものが痛みの原因になると思ってください。
このように筋肉に原因があって痛みが出る状態のことを専門用語で筋膜性疼痛症候群と言います。この筋膜性疼痛症候群の場合は湿布や薬ではダメなんです。
なぜかと言うと、これは湿布や薬の作用を見ていくと分かります。
湿布と薬の作用
湿布と薬にはどういう作用があるのかについて解説をしていきますね。
まず湿布は消炎鎮痛剤といって、炎症が原因で痛みが出ている場合にその炎症を鎮める作用があります。人間の体は体の中で炎症が起きるとそれに伴って痛みが出る仕組みになっています。そんな炎症が起きてしまった結果痛みが出た場合は湿布を貼ると良いということですね。
続いて痛み止めの薬。
痛み止めの薬にはいろいろ種類があるのですが、腰痛の場合に処方される薬としては湿布と同じく消炎鎮痛剤のことが多いと思います。もちろん、体の状態によっては神経障害性疼痛といって神経が原因で痛みが出ている状態に作用がある薬のこともあります。
消炎鎮痛剤としての痛み止めであればこれは湿布と同じですね。具体名をあげるとロキソニンは消炎鎮痛剤です。もし今ロキソニンを飲んでいるのなら、病院の先生が炎症による痛みが出ていると診断をされた結果ということになります。
筋肉が原因なら湿布でも薬でも変わらない
湿布と薬の作用についてはご理解いただけたかと思います。
そんな湿布と薬ですが、筋肉が原因の痛みの場合には残念ながら続けても痛みが変わらないと思ってください。なぜなら、湿布も薬も筋肉が原因の痛みに対しては元々作用がないからです。
筋肉が原因の痛みは筋肉が固まってしまった結果出ているということはすでにお伝えしましたね。こんな状態の痛みに対して必要なことはその固まった筋肉が簡単に言うとゆるむこと。ですが、先ほど見たとおり湿布にも痛み止めの薬にも筋肉をゆるめる作用が元からありません。
こういう理由から、筋肉が原因の痛みに対しては湿布や薬を続けても痛みが変わらないということになるのです。逆に言うと、湿布や薬を続けても痛みが変わらないのならその腰痛の原因は筋肉にあるということも言えますね。
腰痛の原因は腰の筋肉だけではない
ここまで腰痛の原因について見てきました。ここからは、筋肉が原因の腰痛についてもう少し掘り下げていきたいと思います。
腰痛の原因に筋肉がことはご理解いただけたと思います。では具体的にどこの筋肉が原因になると思いますか?こう聞かれれば、そんなの腰の筋肉でしょって思いますよね。確かに腰の筋肉は腰痛の原因になります。ですが、腰の筋肉だけが腰痛の原因になるわけではありません。
では他にどこの筋肉が原因になるのか?
個人差はもちろんありますが、比較的多いのはお尻の筋肉です。腰痛の方でお尻をこぶしでトントン叩きたくなったことはありませんか?そんな状態ならお尻の筋肉も固まってしまっていると思ってください。
そしてお尻と腰は場所としては少し離れていますが、お尻の筋肉が原因で腰に痛みが出ることは珍しいことではありません。こんな風に痛みの原因になる部分と痛みを感じる部分が離れていることがあるのが筋肉が原因で痛みが出ている場合の特徴の1つということになります。
ちょっと意外な部分も腰痛の原因になる
お尻の筋肉が腰痛の原因になるというのは何となくイメージできるかと思います。
でも実はちょっとイメージしにくいかもしれませんが、お尻よりもっと離れた部分の筋肉が腰痛の原因になることがあります。具体例を紹介しますね。
まずは股関節周りです。写真をご覧ください。
女性が仰向けで寝ている写真ですね。そして股関節辺りにバツ印を付けているのがお分かりいただけるかと思います。この股関節周りにもちゃんと筋肉があり、この部分が固まってしまった結果腰に痛みが出ている方も結構います。
他には肩甲骨と背骨の間にある筋肉が原因で腰に痛みが出ることもあります。股関節周りよりはイメージしやすいかもしれませんが、それでも結構離れていますよね。でもこんな部分が腰痛の原因になることが結構あるんですね。
筋肉が原因の場合にやってはいけないこと
腰痛の原因が筋肉にある場合、やってはいけないことがいろいろとあります。
そのうちの1つが腹筋・背筋。一度は聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。腰が痛いなら腹筋・背筋すれば良いということを。でもこれは間違い。
理由はいろいろありますが、そもそも体の痛みを鍛えることで治そうとしてはいけませんし治りません。また、腰痛になってから腹筋や背筋をしたとしてもすぐに筋力がアップするとか筋肉の量が増えるわけではありません。
腹筋も背筋も腰痛がない時から取り組んでいるのならもちろん良いことだと思います。ですが、痛みが出てからするものではないということを知って欲しいなと思います。
なので他にもウォーキングやエクササイズなども腰痛がある時に腰痛を治すためにするものではないと思ってください。
筋肉が原因なら何をすれば良いのか?
腰痛の原因が筋肉にある場合に運動や筋トレがダメなら何をすれば良いのか?こう思う方も多いでしょう。筋肉に原因があって痛みが出ている場合は、筋肉が固まってしまった結果痛みが出ているとお伝えしましたよね。
なので、まずはストレッチがおすすめです。
固まって痛みの原因になっている腰やお尻などの筋肉を伸ばしてゆるめてあげるわけですね。強引なやり方や、長時間やり過ぎることはいけませんが適度に取り組むならもちろんOK。
具体的なやり方についてはこちらの動画で紹介していますのでご参考くださいね。
最後に
腰痛になった時に湿布や薬を続けてもダメな場合の理由について解説をしてきました。
筋肉が原因の腰痛の場合、湿布や薬は作用がないから変わらないということがご理解いただけたかと思います。ですから、湿布や薬が良い・悪いではないんですよ。必要な場合ももちろんあるということ。
そして筋肉が原因ならまずはストレッチから少しずつで良いので無理のない範囲で取り組んでみてくださいね。